
『甚五』少年の日より
(著) 本松秀茂
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表紙絵のピエロは女流歌人、田村絹子氏の作品です。北九州文学協会の会員で、季節ごとにこのような挿し絵のついたお便りを寄せてくれます。
私はこのピエロを見るとき、人間の一面、いや、人間の本質を垣間見るように思います。
つまり本人は精一杯おしゃれして、カッコ良く有能な人間であるかのように振る舞っているつもりでありましょうが、傍目には拙くダサい上に不器用です。そのため人々の嘲笑を浴びています。
でもそんなことには少しも臆することなく、一つのことに一所懸命に取り組んでいる姿には感銘を受けます。
けれどもピエロの本質は、客観的な視野と高い見識に加え、並外れた能力を有しながらも、傲らず、威張らず、見る人に、ダサくてもいい、不格好でもいい、己が信じる道を忠実に生きなさいと教えているように思うのです。私にはピエロがカッコ良く、崇高にすら見えます。
ピエロ私の師であり憧れです。願わくば私もピエロのような人間になりたいと思います。
[著者プロフィール]
本松秀茂(もとまつ・ひでしげ)
1937年福岡県宮若市生まれ
福岡県立筑豊高等学校卒業
信用金庫に37年勤務後退職
福岡県北九州市在住
著書
『晩鐘 – 初子と過ごした幾歳月』
『薄春の記』 外
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