あたらよに うたかたの ぼくらは

(著) 田中槇乃

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作品詳細

[商品について]
「わたくしは、イヤシヤです。ご気分はいかがですか?」
不思議な白衣を着た先生は、笑顔で問いかける。
麻痺によって動かない左手足を抱えて、先が真っ暗になってしまった僕に。
父を救いたくて看護師になったけれど、素直に向き合えないわたしに。
動けない兄のそばにいることしかできず、無力さを感じている俺に。

第二回文学レボリューション大賞受賞作。
寝たきりから歩けるようになった作者自身の経験からつくられた、やさしくてあたたかい連作短編集。
「痛みはすぐにはなくならない。だけど、さっきよりも前を向けた気がする」
「いつか訪れるかもしれない病気への恐怖が、少しだけ軽くなった」
「なにもできないと思っていた自分でも、誰かのためになれていたのかな」
この物語はあなたにも、心をときほぐすメッセージを送ります。

[著者略歴]
田中 槇乃(たなか・まきの)
 表現者。徳島県生まれ。二〇二〇年、脱髄疾患(CIS)を発症。片麻痺、感覚異常のある寝たきりから回復。退院直後より後遺症の残る手を使い創作活動を始める。個展やグループ展、公募展など国内外で作品を発表。展覧会の他、お話会や講演会など様々な場で活動中。二〇二三年第二回文学レボリューション大賞受賞をきっかけに、初の小説作品『あたらよに うたかたの ぼくらは』で作家デビュー。本書の装画も手掛ける。

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