わが国時刻表の父 お雇い外国人 ページ先生の生涯

(著) 石本祐吉

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―明治のお雇い外国人・ページ先生の謎に包まれた生涯が明らかに―

1874年、近代的な鉄道システム構築のためにひとりの英国人が来日した。日本の鉄道の礎を築き、後に鉄道ダイヤの専門家、時刻表の父とも呼ばれたお雇い外国人、ウォルター・フィンチ・ページである。他の多くのお雇い外国人とは異なり、長く日本にとどまって日本の鉄道の近代化に大きく貢献したページであるが、実はその生涯は没年を含め分かっていないことが多い。本書は、カナダから寄せられたページ宛の英文手紙をきっかけに、新たに発掘された資料から知られざるページの生涯を明らかにした、貴重な研究記録である。



[目次]

はじめに

第一章 ページ先生の秘密

ページ先生の紹介

ページ先生の秘密

ページ先生の秘密とその真実

第二章 官設鉄道のページ先生

官設鉄道の記録

「鉄道寮事務簿」に見るページ氏

工部省記録に見るページ氏

「日本鉄道史」に見るページ氏

「雇外国人年報」に見るページ氏

代理人としてのページ氏

ページ氏の講演

官鉄時代のその他の情報

叙勲記録に見るページ氏の功績

叙勲に見るお雇い外国人たち

ページ氏の給料

第三章 官設鉄道後のページ先生

退官後のページ氏

ページ氏の或るエピソード

一旦日本を離れる

ページ先生の自宅

ページ一家の離日

出国日の調査

第四章 ページ先生の遺族と遺品

ページ氏のご子孫

分厚いスクラップブック

曾孫の語るページ氏

野口復堂の絵手紙

野口復堂について

晩年の遭難事故

第五章 ページ先生の優雅な生活

ページ氏とスポーツ

クリケット試合

音楽と演劇

ページ先生と教会

第六章 ページ先生の来日まで

またしてもページ氏のスクラップブック

ピーターバラを訪ねる

訪問の成果

英国の国勢調査

ページ氏の生い立ち

第七章 ページ先生の家族たち

ページ夫人

ページ家の子供たち

六人の娘たち

二つの結婚式

子供たちの英国留学

ページ家の使用人

子孫の方々

第八章 ページ先生の人間像

スクラップブックへの疑問

当時の外国人の生活態度

ページ先生の人間像

あとがき

参考資料

付録 明治一二年『雇外国人年報』

年譜

著者略歴



[担当からのコメント]

明治のお雇い外国人の一人としてのページ先生は鉄道史関連の書物に描かれていますが、本書はそれだけでなくヴィクトリア朝の空気をまとった一人の英国紳士としてのページ先生にも出会うことができます。鉄道ファンはもちろん、日本の近代化の歴史に興味がある方にとってもお楽しみいただける内容になっています。ぜひご一読ください。



[著者略歴]

石本 祐吉(いしもと・ゆうきち)



 1938年 東京に生まれる

 1960年 東京大学工学部機械工学科卒業

 1960年 川崎製鉄株式会社入社、千葉製鉄所、東京本社技術本部等に勤務

 1995年 石本技術事務所開設

   鉄道史学会、産業考古学会、赤門鉄路クラブ各会員



著書

 『鉄のほそ道』アグネ技術センター、1996年、増補版1998年

 『オーケストラの楽器たち』アグネ技術センター、2000年

 『パーツ別電車観察学』アグネ技術センター、2004年

 『鉄道車両のパーツ 製造現場をたずねる』アグネ技術センター、2004年

 『線路観察学』アグネ技術センター、2008年

 『日本の鉄道をつくった人たち』(共著)悠書館、2010年

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