
仏教の考え方
(著) 村上真完
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―仏教の歴史、思想、研究がこれ一冊で分かる―
インドから中国、日本へ伝わる中で様々に発展してきた仏教は、初学者にとっては複雑な迷路のようであり、入り口すら判然としない。本書はそんな幾重にも分岐した仏教が、それでも全てが「仏教」という名の下に存在できる、その基本的な考え方(思想・哲学)を掘り起こす。そもそも「仏教とは」という問いから始まり、その起こり丁寧に辿り、一元論でも多元論でも無い思考法、観念論的世界観(唯識論)に基づく独自の存在論、そして日本古来の生命観と融合し独自に発展した日本仏教の始まりと各宗派の特徴を解説する。20年前の初版・第2版に大幅な修正を加え、現状を踏まえ、未来の仏教まで視野に入れた、仏教の最も基本的で広範な入門書。
[目次]
はしがき
凡例
目次
序章 仏教とインド思想
一 仏教とはどういう意味か
二 インド古来の神観念・生命観と哲学
第一章 初期仏教の思想
三 初期仏教の分析的思考法
四 関係性と輪廻説
五 社会と仏教
六 存在するものの探究(部派仏教)
第二章 大乗仏教の思想
七 永遠な仏と救済者としての仏
八 常識的思考の反省(空の思想)
九 心の深層の探究(唯識説と認識論)
第三章 日本仏教の思想
十 上代のわが国の神観念・生命観と仏教
十一 すべてのものが仏となる(諸法実相)
十二 この身をもって仏と交流する
十三 仏の浄土に生まれる
十四 自己の心を見つめる
終章 余論(回顧と展望)
十五 仏教の現状と今後の問題
あとがき
文献略号表
参照文献
著者略歴・業績
[担当からのコメント]
本書は仏教思想の根源に関わる仏教発生の前後を丁寧に辿り、重要なキーワードを経由して、日本仏教の解説が行われます。まさに、日本人が日本で仏教と生きる上で必要なエッセンスを盛り込んだ構成となっています。自分が興味のあるテーマからでも構いませんので、ぜひご一読ください。
[著者略歴・業績]
村上 真完(むらかみ・しんかん)(旧姓名 平野祥三)
昭和7(1932)年7月25日 青森県南津軽郡山形村(現在、黒石市)に出生。
学歴
昭和32(1957)年3月 東北大学文学部哲学科(印度学仏教史専攻)卒業。
同34(1959)年3月 東北大学大学院修士課程 文学修士。
同38(1963)年3月 東北大学大学院博士課程単位修得満期退学
同54(1979)年3月 文学博士 (東北大学)
職歴
昭和38(1963)年4月 八戸工業高等専門学校講師。
同44(1969)年5月同助教授。
同44(1969)年11月 東北大学文学部助教授。
平成元(1989)年8月 同教授(印度哲学講座)。
同8(1996)年4月 東北大学名誉教授。
同9(1997)年4月より同15(2003)年3月まで聖和学園短期大学特任教授。
非常勤講師歴
昭和39(1964)年度‐同43(1968)年度 東北大学文学部
平成5(1993)年度 信州大学人文学部
平成7(1995)年度 名古屋大学文学部
受賞
昭和44(1969)年6月 日本印度学仏教学会賞。
平成2(1990)年10月 日本翻訳文化賞(受賞対象『仏のことば註』全5巻)。
同19(2007)年1月 黒石市民財団創立十周年記念顕彰事業名誉賞。
同26(2014)年8月 日本印度学仏教学会鈴木学術財団特別賞(受賞対象:
2009『パーリ仏教辞典』)。
令和元(2019)年10月 中村元東方學術賞(受賞対象:2009『パーリ仏教辞典』)。
著書
1978 『サーンクヤ哲学研究―インド哲学における自我観―』春秋社。
1982 『シルク・ロード遺跡の旅』レグルス文庫145、第三文明社。
1982 『サーンクヤの哲学―インドの二元論―(サーラ叢書27)』平楽寺書店。
1984 『西域の仏教 ベゼクリク誓願画考』第三文明社。
1985-86, -88-89 『仏のことば註―パラマッタ・ジョーティカー―』(一)~(四)(及川真介との共著)春秋社。
1990 『仏と聖典の伝承 仏のことば註―パラマッタ・ジョーティカー―研究』(及川真介との共著)春秋社。
1991 『インド哲学概論』(平楽寺書店)。
1994 『新国訳大蔵経文殊経典1』(及川真介との共著、大蔵出版)。
1997 『インドの実在論 ヴァィシェーシカ派の認識論』(平楽寺書店)。
1998, 2000 『仏教の考え方』国書刊行会。
2009 『パーリ仏教辞典 仏のことば註―パラマッタ・ジョーティカー―付篇 パーリ聖典スッタ・ニパータ註索引・辞典』(及川真介との共著)春秋社。
2013-16 『仏弟子達のことば註―パラマッタ・ディーパニー―』(一)~(四)(及川真介との共著)春秋社。
編著書
1990 平野ちゑ『りんごの里 津軽の残照』じゅうがつ社。
2017 『仏教者が読む古典ギリシアの文学と神話:松田紹典論集』(阿部秀男との共編著)国書刊行会。
ほか、英文論文多数(本書に詳細あり)
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