命の驕り

(著) 石井宏紀

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作品詳細

[商品について]
―こだまする詩の言葉が波のように心ゆさぶる―
雑木林に踏み込む/凍て付く耳朶の緊張に 落葉が応える/真冬の凍土が キーンと身構える/厚く被う腐葉土/好奇心が 指でそっと掘る/太ったカブトムシの幼虫が 白く動いた/たった一年の命に 水を差したか・・・/腐葉土の 堆積の厚さに安堵しても/既に犯した事実は 消えない/腐葉土を戻して 落葉で被ってはみたが・・・/見上げる 晴れ渡った青空/凍り付いた空気が痛い(「表土深土」より)
自然と生命の営みの中で、茫洋たる現実の靄の中で、詩人は言葉の営為に思いを託して、今日も詩を紡ぎ続けるーー静謐な言葉の向こうに命の劫火が垣間見える魂の詩集。

[目次]
旅を探す
「ん」
これからも下ろせないで…
まどろむ
命の驕り
無色
像(かたち)
応えを待つことでもないのですが
佇立している
遠い日の音
表土深土
ブルーム
虚ろに
コンパス
日常
皮膚
場景
時間軸を止める
雁(かり)
光芒
坂は登り坂
見えていたもの
余弦
コーヒーでも淹れようかね
笹舟
あとがき
著者略歴

[担当からのコメント]
詩人の発する言葉は何処からきて何処へゆくのか、そんなことを思うとその大きな輪廻の中で詩の言葉に出会えた喜びは一層大きくなります。本書の作品にはそんな詩の喜びを味わえる言葉が詰まっています。ぜひご一読ください。

[著者略歴]
石井宏紀(いしい・こうき)

一九四〇(昭和十五)年
    山梨県上野原市上野原に生まれる。

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