声なき声の近現代史ーー昭和前期における世論形成と地方の戦争動員

(著) 分須正弘

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作品詳細

[商品について]
―世論と地域から読む、戦争への道―
本書は、日本の昭和前期における戦争と世論の関係、そして当時の地方社会の動員の実態を、埼玉県の事例をもとに丹念な資料分析と地域視点から描き出す本格的論考集。
第一部では、主に三国干渉から満洲事変に至るまで、戦争を後押しした世論の変遷に焦点を当てる。新聞やラジオ、在郷軍人会などを通じた情報操作と、主戦論を煽る報道の影響ーー日本陸軍がどのように国民の支持を取り付け、軍事行動へと結びつけていったのかが、当時のジャーナリズムをもとに克明に描かれる。
第二部では、埼玉県という一地域に注目し、昭和期における地方と国家の関係に迫る。二・二六事件に先立つクーデターとして知られる「救国埼玉青年挺身隊事件」や、ソ満国境防備の兵力となることを期待され組織された「満蒙開拓青少年義勇軍」の埼玉県における動向などを取り上げ、地域社会がどのように戦争体制へと組み込まれていったのかを実証的に論じる。
※本書は2022年4月に刊行された電子書籍『埼玉から読む昭和近現代史――記録の中の日本と戦争の時代』のPOD版です。

[著者略歴]
分須 正弘(わけす・まさひろ)
1951年 埼玉県生まれ。
1974年 国学院大学文学部史学科卒業。
      浦和市立図書館(現・さいたま市立北浦和図書館)司書。
2012年 さいたま市立中央図書館定年退職。
現   在 埼玉県地方史研究会会員。

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