大帝の血脈ーその陰謀と十字架の果てに:コンスタンティヌス朝の興亡

(著) 乾明

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[商品について]
―剣と十字架、その風景には血が漂う―
337年のある夏の夜、コンスタンティノポリスの宮廷で、皇帝コンスタンティヌス一世の異母弟ダルマティウスとその息子二人、そして皇帝の異母弟ユリウスが殺害された。西方ガリア道の任地にいた皇帝の長男コンスタンティヌス二世と、同じくイタリア・アフリカ道の任地にいた三男のコンスタンス一世、そして事件当夜宮殿の奥の後宮で寝んでいた次男のコンスタンティウス二世の3人は運よくこの惨劇の難を逃れたものの、皇帝崩御からわずか2カ月後のこの出来事は、偉大なるローマ帝国と皇統を継ぐ者たちの未来に大きな影を落とすことになるーー権力、宗教、人の業が渦巻く帝政ローマの時代を生きる者たちの群像を鮮やかに描いた歴史物語。

[目次]
一 主教の謀りごと
1、事件
2、大帝コンスタンティヌス
3、主教エウセビオス
4、大帝の遺言
二 皇統を継ぐ者たち
1、三人皇帝
2、東方の大王
3、反乱
4、皇帝の西征
三 内戦
1、戦いの前
2、皇帝の決意
3、決戦
四 侍従長の謀りごと
1、副帝ガルスの始末
2、総司令官シルウァヌスの始末
3、ユリアヌス召還
五 ガリア道の立て直し
1、ガリアに副帝を
2、副帝への策謀
3、東方の戦雲ふたたび
4 騎兵長官ウルシチヌスの始末
六 副帝の反乱
1、孤立する副帝
2、副帝の賭け
3、皇統の終焉
後 補

[担当からのコメント]
ローマの物語が今もなお人々を惹きつけるのは、そこに人間というものの姿を見出すことができるからなのかも知れません。あるいは政治、社会、宗教、戦争といった私たちにとっても目を向けずにはいられないテーマが埋まっているからかも知れません。そんなローマの歴史に人のドラマを描き出した本書は、リウィウスから続くローマ史の水脈に実った一つの果実ではないかと思います。この壮大な歴史物語を、どうぞごゆっくりお楽しみください。

[著者略歴]
乾 明(いぬい・あきら)

本名 福井 正明
1938年東京生まれ
早大卒、岩手県盛岡市在住
近年の著書
『巷説ビザンティン建築』(アートフォーラムいわて 2012)
『モザイク画の女たち』(文芸社 2015)
『特美と共に』(アートフォーラムいわて 2017)
『巷の三代記』(ブイツーソリューション 2019)

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