患者のための放射線とがん治療ーー癌との闘い方から原発まで、放射線の表と裏を知る

(著) 西尾正道

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作品詳細

[商品について]
―放射能に囲まれている私たちは、放射能のことをほとんど知らない―
結核に代わり新たな国民病となってきている「がん」。長年がんの放射線治療に携わってきた著者は、複合的な要因によってがんの死亡者数が増え続ける現状を前に、日本のがん医療の問題や医療経済の仕組み、放射線治療の課題などを考え続けてきた。放射線の「光」と「闇」という視点から、放射線治療から原発まで現代を生きる私たちが健康被害の不安の中で、自分の命をどう守っていくのかを考究した論考集。

[目次]
はじめに
第Ⅰ部 放射線の光の世界を求めて ―がんと賢く闘う
第1章 放射線科医としての歩み
第2章 納得のいくがん治療をめざして
第3章 患者よ、がんと賢く闘え
第4章 患者会活動としての政策提言
第5章 医療改革の方向性
第Ⅱ部 放射線の闇の世界を考える ―核汚染の時代を生きる
第1章 福島原発災害を考える
第2章 低線量放射線被ばく ―福島の子どもの甲状腺を含む健康影響について
第3章 鼻血論争を通じて考える
第4章 原発事故による甲状腺がんの 問題についての考察
第5章 原発稼働による健康被害について ―トリチウムの問題
第6章 一億総がん罹患社会への道
第Ⅲ部 日本の医療と 健康問題を考える
第1章 崩壊する社会保障制度
第2章 科学・医学の光と影
第3章 子宮頸がんワクチン問題を考える ―予防接種より検診を!
第4章 がん検診を考える ―なぜ、いま、健診か
第5章 これでいいのか! 日本のがん登録
第6章 TPPがもたらす医療崩壊と 日本人の健康問題
自著を語る①
自著を語る②
刊行に寄せて
著者紹介

[担当からのコメント]
チェルノブイリや福島第一原発の事故の例をひくまでもなく、放射線は私たちにとって「見えない脅威」として懼れの対象になってきました。しかし放射線は現代医学に欠かせないものにもなっており、患者という立場からも放射線についての正しい知識が求められるようになっています。放射線治療だけでなく、社会全体の中で放射線というものを鋭く見つめた内容になっている本書、ぜひご一読ください。

[著者紹介]
西尾正道(にしお まさみち)

函館市出身。1974年札幌医科大学卒業後、国立札幌病院・北海道地方がんセンター放射線科勤務。1988年同科医長。2004年4月機構改革により国立病院機構北海道がんセンターと改名後も同院に勤務し、08年4月同院長、13年4月国立病院機構北海道がんセンター名誉院長。同年4月より北海道医薬専門学校学校長、北海道厚生局臨床研修審査専門員(2016年3月まで)。1992年日本医学放射線学会優秀論文賞、2006年札幌市医師会賞、2007年北海道医師会賞・北海道知事賞受賞。
著書に『がん医療と放射線治療』(2000年、エムイー振興協会)、『がんの放射線治療』(2000年、日本評論社)、『放射線治療医の本音―がん患者2万人と向き合って―』(2002年、NHK出版)、『今、本当に受けたいがん治療』(2009年、エムイー振興協会)、『放射線健康障害の真実』(2012年、旬報社)、『正直ながんのはなし』(2014年、旬報社)、『被ばく列島』(2014年、角川学芸出版)、その他、医学領域の専門学術論文・著書多数。

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