曠野より = KOUYAYORI

(著) 栗坪良樹

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作品詳細

[商品について]
―その残像は、記憶というフィルムを経て、やがて一編の物語となる―
小学校一年生の時に友だちの悪ふざけで壊されてしまったセルロイド製の愛用の筆入れ。それがきっかけとなって始まった友だちとの決闘。満洲生まれで片仮名は読めても平仮名が読めない引き揚げ者の思い。古稀を迎えて振り返れば、幼少年時代の自分を含む様々な残像が脳裡によみがえるーー旧満州に生まれ父を失い難民のように日本に引き揚げて北海道の大地で過ごした15歳までの日々を、180編ほどの話として半自伝的に綴った小文集。

[目次]
Ⅰ 原 野
Ⅱ 古 潭
Ⅲ 冬 夜
あとがき
著者略歴

[担当からのコメント]
誰にもある幼少期から青春記にかけての記憶ほど、その時代をよく映し出すものはないのかも知れません。本書の中に収められているのは、敗戦によって日本が大きく変わった戦後の記憶。この記憶の中に、あなたは何を感じるでしょうか。ぜひ手に取ってお確かめいただければ嬉しく思います。

[著者略歴]
栗坪良樹(くりつぼ・よしき)

1940年、旧満洲奉天(現・瀋陽)生まれ。早稲田大学教育学部卒業、同大学大学院文学研究科修了。麻布学園教諭、青山学院女子短期大学学長を経て、同大学名誉教授。著書に『寺山修司論』(砂子屋書房)、『横光利一』(永田書房)、『私を語れ、だが語るな』(本阿弥書店)、『子どもたちは今を生きのびられるか』(岩波ブックレット)、『親ばなれ子ばなれ』(集英社新書)『ブックエンド』(彩流社)、編著に『寺山修司』『開高健』(以上新潮日本文学アルバム)など多数。『岩波講座日本文学史』、『定本横光利一全集』(河出書房新社)『阿部昭集』(岩波書店)の編集委員。

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