最後の抱擁

(著) 石館康平

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[商品について]

―言葉から目を逸らしほっとため息をつく、そんな詩がここにある―

さようならと言ってみた/とりまく景色はたちまち美しくなった/またの日をと誓ったら/すべてはそこで色褪せた/去りゆく目にはすべてが美しい/何ものも奪わずそしてつけ加えず/さようなら/ただそのままにさようなら(本書「風景」より)

冷えたグラスにいつのまにかある水滴のように、その言葉は日常の生活の空気から生まれ、私たちの心の色合いに虹色の光を映し出す――第一詩集『時の川べりで』に続く、新たな詩境を生きる詩人の第二詩集。



[目次]

Ⅰ 時間と空間の砂場

夏は終わらない

雨だれ

モーツアルト喜遊曲17番ニ長調メヌエット

空にかかる壺

車窓の旅人

歩行者

白昼の惨劇

窓明かりと星空

波濤を越えて―――信州麻積(おみ)にて

五月のある日

ある晴れた日の夕べに

空よどうして

むかし土間というものがあった

Ⅱ 自意識をもつ世界

盲目の導き

逆さの地球儀

雲の遠近法

ものの名前

私は名づける

地球の時間 人の時間

チンの済むのを待ちながら

自意識をもつ世界

不思議だ

Ⅲ ことばとこころ



永遠―――ある目覚め

夏の夜の雲は白く輝く

逃げる言葉

大いなる詩

智慧の目覚め

夕暮れの町

いつか

風景

最後の抱擁(あとがき)

あとがき 2



[担当からのコメント]

火花のような切迫した空気感があった前作に比べて、よりやわらかく深いふねりを感じさせる本作は、気づけば心に効いている、そんな作品に出会うことができる詩集となっています。できれば週末に、時間を気にすることなくじっくりと読んで味わいたい一書です。



[著者プロフィール]

石館 康平(いしだて・こうへい)

一九三七年 北海道生まれ

一九六四年 東京教育大学理学部卒業

一九七〇年 大阪大学大学院理学研究科生化学専攻博士課程修了

一九七〇―一九八九年 国立予防衛生研究所(現国立感染症研究所)

一九八九―二〇〇三年 米国コネチカット大学医学部 

 にて医学生物学領域の業務及び研究に従事

二〇一五年 詩集 『時の川べりで』(原人舎)



訳書

一九八七年 ケラー『動く遺伝子』(石館三枝子との共訳 晶文社)

一九九三年 サックス『レナードの朝』(石館宇夫との共訳 晶文社)

一九九七年 ランバウ、ルーウィン『人と話すサル「カンジ」』(講談社)

一九九九年 ゲーツェル『ポーリングの生涯』(朝日新聞社)

 ほか

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