
東京大空襲下を生きる ―旅―
(著) 岡野武弘
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―死の淵を泳ぐように生きた日々―
太平洋戦争末期、アメリカ軍によって行われた東京都市部への大規模な無差別爆撃は、用いられた焼夷弾の威力と相まって、一般市民に甚大な被害をもたらした。火を逃れるために川に飛び込んでもがく人の群れや、幼児を庇うように胸に抱いて焼死した母親たちなど、その光景はさながら地獄図絵のように凄惨を極めた。当時、中学校三年生になったばかりの著者も、ガソリンの臭気と黒煙の中で、紅蓮の炎に包まれ音を立てて燃え崩れる我が家から逃げ出すしかなかった――。
頭上を過ぎて行くグラマンF6Fの操縦席で笑っていた若い男への怒り、天涯孤独となった好きな女の子が立ち去るのを黙ってみているしかなかった苦い思い、海軍兵学校で出会った友の僅か終戦5日前の死など、罪もない人々を次々と不幸に追いやる戦争という時代を懸命に生きる日々を綴った、前著『二等警査ものがたり』に続く若き青春の自伝。
[目次]
――はじめに――
(一) 燃え落ちた生家
(二) 敵機に拳骨を振り上げる
(三) 焼け跡に消えた恋
(四) 海軍兵学校入校待機訓練
[出版社からのコメント]
B29による都市部への無差別攻撃や原爆の投下、都市部への艦砲射撃など、戦時下の日本は兵士だけでなく多くの一般市民も血を流しましたが、その傷跡も、時おり不発弾の処理等がニュースになるだけで、時とともに静かに忘れられようとしています。本書の中にある戦争の記憶が多くの人に受け継がれ、未来へと引き継がれていくことを切に願います。
【著者プロフィール】
岡野 武弘(おかの・たけひろ)
昭和六年(一九三一年)二月、蒲田区(大田区)羽田糀谷町生まれ
昭和二十三年都立八中卒(海兵訓練生)
東京物理学校(二部)
タイガー計算器株式会社輸出担当社員(英文タイプA級)
昭和二十五年警察予備隊(理科大一年休学)
昭和二十九年東京学芸大学修了、教職に就く
(桜町小、経堂小、明正小、町田一小、中里小教頭、駒繋小校長、東横学園講師、退職校長会役員、
靖國参拝海軍遺族団なにわ会代表
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