
水辺は叫ぶ:為政者が招いた水環境の破壊
(著) 宮澤成緒
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―手おくれになる前に、私たちにできることは何か―
山陰地方に連なる中海、穴道湖および神西湖の水辺環境は、ここ半世紀の開発によって大きく変貌してしまった。これら汽水湖の水質、底質、底生動物の現状を調査すると、そこには「塩分不足」「砂泥の黒変」「護岸工事による環境悪化」といった問題点が見えてくる――失われつつある日本の水辺環境のいまを知り、開発や環境保全のこれからを考えるうえで示唆に富む、足かけ3年にわたる調査研究報告。
[目次]
1 調査の目的と意義および方法
2 調査作業計画
2.1 第1次調査の立ち上げと推移概要
2.2 第2次調査の立ち上げと推移概要
2.3 第3次調査の立ち上げと推移概要
3 各次調査の状況
3.1 第1次調査(平成25年)
3.1.1 意宇川周辺の水域
3.1.2 中海周辺の水域
3.1.3 宍道湖東南岸の水路
3.1.4 宍道湖北岸の水路
3.1.5 宍道湖西・南岸の水路
3.2 第2次調査(平成26年)
3.2.1 主な調査事項と用具・計測器
3.2.2 中海水域
3.2.3 宍道湖水域(神西湖含む)
3.3 第3次調査(平成27年)
3.3.1 調査時期と調査事項および地域(水域)の設定
3.3.2 春季の状況
3.3.2.1 中海水域
3.3.2.2 宍道湖水域(神西湖含む)
3.3.3 夏季の状況
3.3.3.1 中海水域
3.3.3.2 宍道湖水域(神西湖含む)
3.3.4 秋季の状況
3.3.4.1 中海水域
3.3.4.2 宍道湖水域(神西湖含む)
4 調査結果
4.1 データの仕分け整理
4.2 データ整理結果
5 調査結果の検討
5.1 環境測定値の比較検討
5.1.1 中海
5.1.2 宍道湖(神西湖含む)
5.2 底生動物の比較検討(中海、宍道湖)
5.2.1 底生動物の個体数比較
5.2.2 生貝数と殻量の比較検討
5.3 アサリとシジミのサイズ分布
5.3.1 アサリのサイズ仕分け(中海)
5.3.2 シジミのサイズ仕分け(宍道湖)
5.3.3 シジミ貝殻のサイズ別仕分け(宍道湖)
5.4 調査画像にみる異常な現象
5.4.1 貝殻堆積浜
5.4.2 中海の貝殻堆積浜
5.4.3 宍道湖の貝殻堆積浜
5.5 調査地点の砂泥と底生動物
5.5.1 春季の地点
5.5.2 夏季の地点
5.5.3 秋季の地点
5.5.4 砂泥の色と粗さ目視比較画像
5.6 水底砂泥・塩分・溶存酸素と底生動物の生息
5.7 シジミ大量斃死調査データとの対比検討
5.7.1 対比条件の設定
5.7.2 比較考察
6 調査、検討結果にみる問題事項と対策
6.1 中海の現在
6.2 中海の問題事項
6.3 宍道湖(神西湖含む)の現在
6.4 宍道湖の問題事項
6.5 問題事項の対策
7 まとめ
8 先人との奇遇
9 あとがき
10 付属資料
付属資料1 調査用具
付属資料2 調査記録用紙
付属資料3 サイズ分布元資料
付属資料4 参考文献一覧
[担当からのコメント]
生命の本質のひとつが多様性にあるのだとすれば、身近な環境から多様性が失われているということについて、私たちはどう考えるべきでしょうか。本書の中で明らかになった日本の水辺環境の現状について、貴方はどう感じるでしょうか。ぜひご一読ください。
[著者紹介]
宮澤 成緒(みやざわ しげお)
昭和8年九州小倉市で生まれる。1才から小学校5年生まで大阪市で暮らす。昭和20年2月太平洋戦争の戦災で母の故郷島根県簸川(ひかわ)郡西浜村(現出雲市湖陵町)に疎開し転入。小学校、中学校、松江職業補導所、松江工業高校(二部)、東京理科大学理学部(二部中退)。昭和34年佐藤造機(現三菱農機)入社。平成6年定年退職、同年4月三菱ふそう山陰営業所入社、平成11年6月同社定年退職。
50歳後半から趣味の山歩きに魅せられ、国内のほか海外も経験。平成14年末、山歩きの有志と「ハイキングサークルあけぼの会」を創立、代表として会員と共に活動。このほか松江市内の街づくりの会、「中海水域の自然再生センター中海漁業の振興を考える会」などに参加。平成24年11月、自宅に「水辺環境研究所」を開設。独自で水際の水生動物の観察調査を始める。
平成25年4月より島根大学汽水域外部研究協力員として活動。この結果を取りまとめたものが今回の出版のベースとなる。
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