等深線上の詩人たちーー岐阜詩人ノート3:赤座憲久から斉藤なつみまで

(著) 藤吉秀彦

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作品詳細

[商品について]

―私たちの心は何を失ったか。そのがらんどうに響く言葉は何か―

戦争という惨禍を経て社会が大きく変わった激動の戦後に、詩という表現で人間の生を問いかけ続けた岐阜の詩人たち。岐阜という風土の息吹を吸いあげ、多面的な詩活動を展開した彼らの歩みを、いまその作品へのささやかな詩ノートという形でふり返る。第3巻では、盲学校の教師として自分たちを取り巻く現実と人間のありようを凝視した赤座憲久から、追憶と現在の時間のはざまでやるせなさとさびしさを感じながら生への問いかけを深めていく斉藤なつみまで、11人の詩人を取り上げる。



[目次]

『飛騨戦後詩史』ノート 未明の山峡に交感する詩心の位置

赤座憲久ノート・詩集『瞳のない顔』を通して 未明への歩みの彼方に

山田賢二ノート・詩集『耳殻都市』を通して 連鎖する事象への詩的喚声の方位

平光善久ノート・詩集『東洋の裸身』を通して 増殖するリビドーの叫喚の位置

佐合五十鈴ノート・詩集『仮の場所から』を通して 生の一刻への断念の方位

山田達雄ノート・詩集『ぶどうの復讐』を通して 生の彼岸からの葬歌への抒章

村岡 栄ノート・詩集『地凍る外景』を通して 生の条理への位置と父性への回帰の意味

村瀬和子ノート・詩集『罌粟のリフレイン』を通して 欣求するいのちへの奏歌

原 和男ノート・詩集『海の百合』を通して 豊満な幻惑に泡だつ海の彼方へ

田中元信ノート・詩集『遠き海鳴り』を通して 無垢の抱擁への一刻を求めて

桂川幾郎ノート・詩集『わたしはわたしか?』を通して 日常を彷徨する極私の極点への位置

斉藤なつみノート・詩集『私のいた場所』を通して 追憶に根ざすいのちへの回帰

『岐阜県詩人集』ノート 『岐阜県詩人集』の彼方へ

詩誌『さちや』ノート さちや浪漫 ─極私行─

あとがき 包囲する自らへの「詩とは何か」に対する極私の位置

著者略歴



[担当からのコメント]

岐阜の詩人を紹介するシリーズ3作目、いよいよ本書の詩人たちは私たち自身の生、あるいは身近な生へと近接していきます。そこにある目線は、より鋭くより鮮やかに心に刺さるものばかりです。それがたとえ苦いものであったとしても、あらためて詩を読むことの喜びを感じさせてくれる本書、ぜひご一読ください。



[著者略歴]

藤吉秀彦(ふじよし ひでひこ)



昭和九年(一九三四) 岐阜市に生まれる



ふるさと文化フォーラム主宰

詩誌『無宿』主宰



著書

詩集『にっぽん子守歌』(あんかるわ叢書)/『ゆけ飢餓あぶり街染めて』(あんかるわ叢書)/『やさぐれ』(風淋堂)/『ちまたにうたの降る日々に』(洛西書院)/『さらば柳ヶ瀬』(マナサロワール社)/『山頭火』(砂子屋書房)/『藤吉秀彦詩集』(砂子屋書房)/『寺山修司』(砂子屋書房)/『幻界ゆすり哀号まみれて』(鯨書房)/『風土に根ざした奔念のエコー』等がある



平成十年~二十一年

 岐阜の風土に根ざした「ふるさと手づくり歌づくり 藤吉秀彦作品集」を岐阜放送で四回放映

平成十六年~二十二年

 岐阜の風土やそこに生きる人々をとらえ、写真・絵と詩をコラボレーションし、

 人間の情念を表現した作品展「詩のあ る風景」をのべ十四回開く

平成二十一年  岐阜市ふるさと文化賞受賞

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