
避難教室ーーあの日から僕たちの運命は変わった:三宅島噴火と罹災地の子どもたち、教育現場の記録
(著) 松尾駿一
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―災害という人生の岐路で、子供たちは何を感じ何を思ったのか―
2000年6月26日夕刻に伊豆諸島のひとつ三宅島で始まった火山活動は、地震・噴火・泥流、有毒ガスの放出等の発生により、当初の予測をはるかに超えて長期化した。本書は、そうした危機的状況の中で子供たちが如何なる日々を過ごしたのかを、学校現場での対応とともに綴った災害と教育の記録である。安全を確保しながらの教育活動や全島避難による寮生活など、避難生活から見えてくる「教育のあり方」を問う一書として示唆に富む内容となっている。
[目次]
まえがき
第Ⅰ章 三宅島の噴火活動・島内避難・島外避難
第1節 火山活動開始から避難勧告解除までの対応(6月26日~6月29日)
第1 島民の避難の様子
第2 三宅高校の対応
1、災害発生直後の対応
2、避難所における対応
第3 火山活動・避難において求められるもの
第4 避難のまとめ
第2節 避難勧告解除から夏期休業までの対応(6月末~7月末)
第1 活発化する火山活動
第2 雄山の噴火
第3節 夏期休業から全島避難まで(7月末~8月29日)
――「自然は容赦しない」→「最悪の場合を想定したシナリオ」を――
第1 頻発する地震、大地震
第2 小噴火、それに続く大噴火
第3 地震・噴火の時、子供たちは
第4節 島外避難への対応
第1 三宅の学校の対応――避難する側の動き
1、島内避難から島外避難へ
2、着の身着のままの島外避難
3、子供たちにとっての島外避難
第2 秋川高校の対応――避難受け入れ側の対応
第Ⅱ章 秋川での避難生活
第1節 避難当初の対応――新しい試みへの出発
第1 子供たちの生活の確保に向けて――秋川高校の支援・連携
第2 学校再開に向けて――避難所運営本部の設置
第3 全島避難への対応
1、避難指示の発令
2、動・植物の保護、校舎の閉鎖
第4 始業式・授業開始
1、始業式
2、課題山積の授業再開
第2節 避難1ヶ月後の対応
第1 学校の基本方針の提示
第2 児童・生徒の寮生活
1、小学生の寮生活
2、中学生の寮生活
3、高校生の寮生活
4、保健室から見た児童・生徒の健康状態
第3 さまざまな支援と子供たち
1、物心両面にわたる支援
2、高校に対する支援
第4 教職員の勤務実態と管理責任
1、避難所勤務の実態
2、寮勤務に関わる管理責任
第3節 13年度の対応――秋川での新しい学校づくり
第1 三宅村立学校の対応
第2 三宅高校の対応
1、今後の高校についてのアンケートの実施
2、通学問題への対応
3、「中高一貫教育」「学科改編」への取組み
4、寮指導の充実――寮務部の新設
5、生徒減少の中での部活動の再建
第3 児童・生徒の秋川離れの進行
1、児童・生徒数の推移
2、高校生の転学問題
3、転校児童・生徒への対応
第4節 避難3、4年目(平成14、15年度)の対応
――避難の長期化と帰島を視野に入れた動き――
第1 3年目に入った島民の避難生活
1、島民の避難生活
2、帰島についての意向調査
第2 三宅村の帰島・復興計画、及び教育施策
1、『三宅村復興計画』の策定
2、『総合計画』における教育施策
第3 14・15年度の学校体制
1、三宅村立小・中学校の取組み
2、三宅高校の対応
第Ⅲ章 帰島に向けて、そして帰島
第1節 帰島に向けた動き
第1 安全確保のために
1、村の動き
2、学校の動き
第2 避難指示の解除宣言と帰島基本方針
第3 帰島宣言と島民
第4 帰島に向けての支援
第2節 帰島宣言を受けて学校は
第1 小・中学校の対応
第2 三宅高校の対応
第3節 帰島の開始
第1 課題山積の帰島
第2 子供たちの帰島の受け止め方
あとがき
著者略歴
[担当からのコメント]
地震や噴火などの自然災害を防ぐことはできませんが、そうした災害から教訓を得ることはできます。経験のない対応に追われた教育現場の様子が記録されている本書は、そうしたことを考えるうえでも大変参考になります。ぜひご一読ください。
[著者略歴]
松尾 駿一(まつお しゅんいち)
1943(昭和18)年 北海道生まれ
1969(昭和44)年 東京教育大学大学院農学研究科修士課程修了
都立高校教諭、教頭を経て、
1998(平成10)年12月、都立三宅高校校長
2004(平成16)年3月、同校定年退職
著書 『処罰を恐れない生活指導』(共著 高文研1991年)
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