[詩集]干支せとらーーある似非詩人からの念我状

(著) 板並道雄

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作品詳細

[商品について]
―思念、雑念、妄念、情念、詩人からの念我状をどうぞ―
私を執拗につけまわした犬/病んで死んだはずの/犬の匂いがまだ消えない/遠吠えになって耳に住みついている舌/まぶたを閉じて/年が開けても突きあたる犬/私は猪突猛進したことがない/踏みつぶして駆けることができない/人生なかばのときのいのししよ/私のダルな犬を蹴散らせて走れ/私は/私はおき去りにされていい/私は犬ではない(本書「亥 一九八三年(昭和五十八年)」より)
生きている日常にこびりつき零れ落ちた心の欠片を拾い集め、干支に仮託した詩の言葉で紡ぎあげた、めでたくも、あらたまりもしない念我状。

[目次]

亥   一九八三年(昭和五十八年)
子   一九八四年(昭和五十九年)
寅(阪神半疑)   一九八六年(昭和六十一年)
卯   一九八七年(昭和六十二年)
辰   一九八八年(昭和六十三年)
巳   一九八九年(昭和六十四年)
午   一九九〇年(平成二年)
未   一九九一年(平成三年)
さる年の前に   一九九一年(平成三年)末月
酉(燕)   一九九三年(平成五年)
戌   一九九四年(平成六年)
亥   一九九五年(平成七年)
子   一九九六年(平成八年)
丑   一九九七年(平成九年)
寅   一九九八年(平成十年)
卯   一九九九年(平成十一年)
辰   二〇〇〇年(平成十二年)
巳   二〇〇一年(平成十三年)
午   二〇〇二年(平成十四年)
未   二〇〇三年(平成十五年)
申   二〇〇四年(平成十六年)
酉   二〇〇五年(平成十七年)
戌   二〇〇六年(平成十八年)
亥   二〇〇七年(平成十九年)
子   二〇〇八年(平成二十年)
丑   二〇〇九年(平成二十一年)
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病む手
四月 人生の一日
うんちく
八転び七起き
うどんの日々からうろんの日々まで
尼志願  (独身を競う三女性詩人の朗読会に寄せて)
著者略歴

[担当からのコメント]
時も巡れば季節も巡る。思いも巡れば運命も巡る。記憶を巡って言葉を巡れば、そこに新たな詩の世界が広がっている。人生七転び八起き、一風変わった詩人からのメッセージ、ぜひご覧あれ。

[著者略歴]
板並道雄(いたなみ・みちお)

詩集『足』(1976年、文童社)
詩集『夕景』(1982年、編集工房ノア)

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