草むす道の彼方に ー戦国山人たちの秘境伝説ー

(著) 橘早舟

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作品詳細

[商品について]
―それは人のために、人の口によって語られる、山人たちの物語―
吉野で木地師、修験者として修行を積んでいた六兵衛は、やがて試練を乗り越え一人前となり、山の民として新たな道を歩む。そこで待ち受けていたのは、突然の敵襲、弟子の死、亡き母との心の再会と信玄公来訪。果たして六兵衛達山の民は、いかなる命運を辿るのかーー静かな秋の夜に、「先生」が昔がたりに聞かせてくれた日本のパラレルワールド。それは「道」が織りなす活発な文化交流と、寛容な心で来る者を温かく受け入れる戦国山人の世界だった。歴史の中で忘れられた、大切なものをとり戻す物語。

[目次]
はじめに

第一節 吉野での修行時代
第二節 天河(てんかわ)弁天社
第三節 祭りのにぎわい
第四節 木地師の心
第五節 権現堂の焼き討ち
第六節 苦しみの時を超えて
第七節 ういろうと陀羅尼助(だらにすけ)
第八節 大峯奥駈け修行
第九節 免許皆伝
第十節 巣立ち
第十一節 遠山郷への旅
第十二節 下栗の里
第十三節 宝の山を歩く
第十四節 技の伝授
第十五節 祭りの主役
第十六節 城普請
第十七節 敵意と対立の芽
第十八節 胎動
第十九節 美しき木挽きの姉妹
第二十節 春を待つ思い
第二十一節 赤石の霊峰を越えて
第二十二節 奈良田―伝説の里―
第二十三節 桃源郷
第二十四節 民の歌
第二十五節 愛弟子たち
第二十六節 繁栄の中の懸念
第二十七節 青天の霹靂(へきれき)
第二十八節 兄弟の憤死
第二十九節 怒りと悲しみの唸り石
第三十節 古府中からの巡察使
第三十一節 七面山の夢
第三十二節 信玄公来訪秘話
第三十三節 旅立ちの加賀音頭
おわりに
参考文献

[担当からのコメント]
かつて山は平地とは異なる世界であり、そこには独自の生き方と歴史と文化がありました。均質化された世界に慣れ、そうした世界の二重性を感じることができなくなってしまった私たちは、「先生」のように今いちど山人たちの伝説に耳を傾けるべきなのかも知れない、本書はそんなことを感じさせてくれる物語です。ぜひご一読ください。

[著者紹介]
橘 早舟(たちばな・そうしゅう)
作家。歴史・民俗学・認知心理学の研究愛好家。
経済学博士。
これまでの作品
『疾き風の伝説』(郁朋社)

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