新しい科学論へのダイナミズム サイバネティクス系としての科学と科学革命の論理

(著) 菅野礼司

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[商品について]
―ポパーやデュエム=クワインを超えて、ポジティブな科学論を目指すために―
20世紀に登場した相対性理論と量子力学は、それまで絶対的真理と思われていたニュートン物理学に大きな衝撃を与え、自然法則に関する人々の意識を変えると同時に科学的認識について再考を促す契機となった。このような科学革命は、近代科学が誕生して以来、常に同時代の人々に「科学とは何か」という問いを投げかけてきた。この問いに対して、本書では自己反映活動としての科学観や発展のメカニズムなど、これまであまり論じられることのなかった視点から、自然科学の客観性を擁護しその発展過程をダイナミックに捉えつつ、前向きの科学論を展開しようと試みる。科学の重要性がいや増す21世紀を生きる全ての人にお届けする一書。

[目次]
はじめに―目的と問題意識
第Ⅰ章 科学の方法と理論の仕組み
Ⅰ-1.科学とは何か
Ⅰ-2.科学的説明とは
「科学的説明とはなにか」の歴史的流れ
科学のレベルに対応した科学的説明の3つのタイプ
Ⅰ-3.科学の方法
自然認識の手順
近代および現代科学の方法(6)
観察・実験による実証、数学による記述、理論の体系化
Ⅰ-4.科学と実在世界との対応
実在の自然と対象的自然
科学の真理性
Ⅰ-5.科学理論の仕組み:完備性
理論の完備性
Ⅰ-6.基礎概念のネットワーク構造
理論体系のクラスター構造
Ⅰ-7.理論体系の循環論的構造(9)
論理的循環論と経験的循環論
Ⅰ-8.科学はサイバネティクス系の一種
Ⅰ-9.科学の能動性と柔軟性
Ⅰ-10.科学の完全性と不完全性
自然科学は「自然自体の自己反映活動」
科学は原理的に完全ではない
実証法の不完全さ
それでもより完全な科学を求めて
Ⅰ-11.データの理論負荷性と理論のデータ依存性
Ⅰ-12.科学の客観性とは
人為的要素の排除(19)
第Ⅱ章 科学革命のダイナミクス
Ⅱ-1.科学革命とは何か
「パラダイム転換論」の問題点
理論体系の転換
科学革命とは「理論体系の本質的転換」
Ⅱ-2.科学革命の過程
矛盾の現れ方――矛盾の所在と性質
矛盾の絞り込み:デュエム=クワインのテーゼ(2)の妥当性とその限界
Ⅱ-3.旧理論から新理論への移行はいかにして可能か
新旧両理論の交替
Ⅱ-4.仮説の導入と検証
ベイズの定理(3)(T. Bayes,1750年代)
検証は「確証」か「反証」か
Ⅱ-5.通約可能性と不可能性
旧理論と新理論との通約性
Ⅱ-5.後ろ向きでなく前向きの科学論を
前向きでダイナミックな科学論を(7)
科学は実在の自然をアトラクターとして発展
第Ⅲ章 理論体系の転換のタイプ
Ⅲ-0.理論転換のタイプ
Ⅲ-1.アリストテレス自然学から近代物理学へ
1-a.空間革命:コペルニクスの地動説から無限宇宙へ
1-b.ニュートン力学の成立
Ⅲ-2.光学:粒子説から波動論へ
Ⅲ-3.物質科学の革命―近代化学の成立
Ⅲ-4.熱学から熱力学への転換
4-a.熱学
4-b.熱学から熱力学への発展:熱理論の実体論的転換
4-C.熱力学から統計力学へ:実体論的基礎づけ
Ⅲ-5.ニュートン力学から アインシュタインの特殊相対論へ
Ⅲ-6.近代物理学から量子論へ
6-a.前期量子論
6-b.量子力学の成立
Ⅲ-7.素粒子論の発展:「素」から「複合」へ
あとがき
著者略歴

[担当からのコメント]
アインシュタインの相対性理論は、私たちの「時間」や「空間」に関する認識を大きく変えました。おそらく今の物理学界で最もホットな研究の1つであろうホログラフィック原理は、私たちの「存在」に関する意識を大きく変えてしまうかも知れません。しかしそれが何を意味するのかとなると、あまり意識することはないのではないでしょうか。本書を読んでいると「科学とは何か」という問いは私たちすべてに向けられたものだということを改めて感じさせられます。本書と共に、ぜひこの問いに向き合っていただければ嬉しく思います。

[著者略歴]
菅野 礼司(すがの れいじ)

専門:素粒子論、科学論。
1930年、千葉県生まれ。京都大学理学研究科博士課程修了:理学博士。
現在、大阪市立大学名誉教授。
主な著書:『相対性理論はむづかしくない』(共著)講談社。
『物理学の論理と方法 上・下』大月書店。
『素粒子・クォークのはなし』新日本出版社。
『微分形式による解析力学』(共著)吉岡書店。
『東の科学・西の科学』(共著)東方出版。
『科学は「自然」をどう語ってきたか』ミネルヴァ書房。その他。

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