水と植物の地球環境―環境破壊による気象災害

(著) 保坂貞治

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[商品について]
―水と緑がなければ生きていけない。この「当たり前」に早く気付かなければならない―
生命にとってなくてはならない緑色植物を中心とした生態系と水、いまこれら緑の地球環境に異変が起きている。豊かであったかつての森と草原は減少して砂漠が広がり、地球温暖化とそれに伴う気象災害が多発している。我々はこの大切な水と緑の植物を復元・保全し、豊かな地球環境を次代に引き継ぐ行動を始めなければならない――生命の誕生から植物の生態、人間活動がもたらす水や大気の汚染、豪雨災害のメカニズムと防災など、喫緊の課題を理解し行動するために必要な地球環境の基礎知識を分かりやすく解説した入門書。

[目次]
Ⅰ章 地球の自然
1. 地球の生き物
(1)地球誕生
(2)生命誕生
(3)生き物たちの真の自然の姿
2. 生き物たちの生
(1)植物は育つ環境で個性が決まる
(2)植物の光争奪
(3)森の階層構造
(4)植物と葉
(5)紅葉
(6)植物の感性
(7)落葉樹の森も更新しないと山は荒れてしまう
3. 自然と共に森の効用
(1)世界の森
(2)ブナの巨木
(3)森の果たす役割は大きい
(4)水生植物の持つ湖沼、河川の浄化力は大きい
(5)人類の誕生「人類の歩いた足跡に砂漠が残った」
(6)灌漑農法と塩分の集積
(7)フィリピンの森はラワン木を伐って禿げ山となった
(8)熱帯雨林の土と樹木
(9)植物と人
(10)山野草
(11)樹木のからだ
4. 生き物たち
(1)ソメイヨシノの老樹「ソメイヨシノの老樹も傍芽(ボウガ)で若返る」
(2)風と樹形
(3)桜の巨樹にはヒガンサクラが多い
(4)樹木の凍結
(5)里山と有機農法「有機栽培の野菜は甘くて美味しい」
(6)田んぼや家の周りの木
(7)葉と気候
(8)巨樹、巨木の樹高
(9)屋久杉
(10)木こぶ・枝打ちの切り口
5. 富士山の植物たち「過酷の瓦礫地に生きる富士山の植物たち」
(1)高地に進出する植物
(2)強風で砂礫が舞う砂礫地の植物
(3)厳しい環境下で育つ植物は寿命が長い
(4)標高2400mの瓦礫地に古武士然と鎮座する御庭のカラマツ
(5)富士山須走口五合目から小富士に向かう散策道のシラビソとコメツガの世代交代
(6)酸性雨による被害
(7)富士山小天狗溶岩流の天然ヒノキ木造建築物は樹木が育った樹齢もつ
(8)宝永火山と火山荒原に育つ植物
(9)短い夏忙しいヤマホタルブクロ
(10)フジアザミは砂礫地で強い日射に強いのか
(11)標高1979m小富士の火山砂礫地に生育するオンタデの戦略
(12)幸運な一粒の種子メイゲツソウ
(13)針金の如きカラマツの小枝
6富士山の恵み
(1)富士山の湧水
(2)富士山に降る年間22万トン余りの大量の雨水の行方
(3)小山町阿多野(アダノ)用水
(4)富士五湖に流れ込む川は無く、流れ出す川のあるのは唯一山中湖のみで他の四湖は流れ込む川も無ければ流れ出す川も無い
7. 世界一の木
(1)世界一背の高い木
(2)世界一太い木
(3)世界一長寿の木
(4)世界一重い木
8. 地球の生きものたちは様々な環境の中で命をつないでいる。
Ⅱ章 地球温暖化と豪雨災害
1. 地球環境の破壊
(1)人類の定住と人口増
(2)アマゾンの熱帯雨林を貧しき人に
(3)フィリピンの森はラワン木を伐って禿げ山となった
(4)砂漠化
(5)野菜と農薬
(6)生物濃縮
(7)人のからだは有機化合物
(8)環境ホルモンの被害
(9)工場排水等
(10)大気汚染
(11)ブラスチックゴミの微粒子、PM2.5
2. 飲み水が危ない
(1)水と生きもの
(2)地下水の枯渇
Ⅲ章 地球温暖化と気象災害
1. 空気中の二酸化炭素の増加推移
2. 化石燃料の消費
3. 地球温暖化と気象災害
(1)異常気象
(2)地球規模の豪雨や猛暑、永久凍土の融解
(3)温暖化被害をどう減らすか
(4)ナイジェリア
(5)テムズバリア
(6)泥炭火災
(7)大雨災害の多発
(8)マッテン・ジュリアン震動
(9)エルニーニョとラニーニャ現象
Ⅳ章 小山町の豪雨災害のメカニズム
1. 平成22年(2010年)9月台風9号による小山町豪雨災害
2. 小山町での豪雨発生の要因
(1)温暖化と飽和水蒸気量
(2)地形と風向(懐状地形)
3. 豪雨災害をもたらす気団の動き
4. 破壊、決壊場所
5. 破壊・決壊のメカニズム
6. 河川や護岸の決壊のメカニズム
7. 昭和47年(1972)7月12日小山町集中豪雨
8. 令和1年(2019)10月台風19号(地球温暖化と海水温の上昇で超大型化した台風19号の豪雨災害)
9. 小山町における台風による豪雨災害の共通性
10. 日本の広域に被害を及ぼした台風19号
(1)長野市穂保町
(2)茨城県大宮市
(3)宮城県丸森町
(4)箱根町湯本
(5)南足柄市矢倉沢
11. 小山町の土砂災害
(1)昭和47年(1972)7月台風6号による小山町集中豪雨
(2)生土城山雲霧神社裏の崩壊
(3)小山町の地質、地形と土砂災害
(4)地質、地形と土砂崩れ
12. 小山町豪雨災害のまとめ
(1)河川勾配の大きい急崖地の小山での洪水は土石流状態である。
(2)土石流状態
土石流状態の内部では、数頓の巨石も高密度の底流部の浮力
(3)小山町で豪雨となる条件
13. 豪雨災害要因の複雑さ
(1)令和2年(2020.7.4)熊本豪雨
(2)令和2年(2021)7月3日静岡県熱海市伊豆山逢初(アイゾメ)川の土石流
14. 豪雨災害の防災
(1)豪雨による河川の氾濫
(2)護岸を強固にする
(3)巨岩の衝突
(4)流砂防止用の堰
(5)急傾斜地の崩落
(6)被災カ所
(7)台風
(8)洪水災害の防災
(9)氾濫している川には近寄らない
(10)氾濫・溢水
(11)水の中
(12)川の流れ
(13)情報の共有
(14)大きい河川
(15)日本の市街地
(16)都市や地方の町
15. 小山町の豪雨防災体制
(1)小山町が豪雨となる地形、気象条件
(2)豪雨時の防災体制(災害対策本部)
(3)河川、護岸の破壊、決壊の起りやすい傾向
(4)土砂崩れ
16. 一般的各地域防災(広義)
おわりに
参考文献
著者略歴

[担当からのコメント]
ゲリラ豪雨や線状降水帯など、かつてなかった言葉が生まれるほど、私たちの日常にも地球環境の変化の影響は及ぶようになってきました。巨大化する台風や豪雨、河川の氾濫や土砂災害、どれも毎年のように耳にするニュースです。このままではいけない、本書はそう思う全ての方にお薦めしたい一書です。

[著者略歴]
保坂 貞治(ほさか・さだはる)

昭和31年静岡大学教育学部卒
同年御殿場市立御殿場中学校教員としてスタート小・中・高理科教師として38年
昭和48~52年静岡県立教育研修所指導主事
昭和55~58年御殿場市教育委員会指導主事
昭和62~平成4年御殿場市内中学校長
環境カウンセラー環境省登録平成8年より富士山ナショナルトラスト会長3年
独立行政法人国立中央青年の家非常勤講師20年
YMCA東山荘非常勤講師25年
御殿場市社会福祉協議会シルバー大学院講師13年
沼津建設業協会広報誌執筆水の惑星地球環境26年

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