飛騨江馬氏の謎を追うーー知られざる北条一族の歴史

(著) 田中司

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―謎多き一族の知られざる歴史―
室町時代から戦国時代にかけて飛騨北部を支配し、戦国時代に姉小路氏に敗れて滅んだと伝えられる江馬氏。
その江馬氏の城館跡は国史跡に指定されているが、飛騨入りの経緯については今も明確になっていない。
本書はこの謎多き飛騨江馬氏の足跡を、飛騨から愛知、そして発祥の地と思われる伊豆まで史料と現地調査によって追った記録である。
四条頼基という江馬氏の家臣を手がかりとした独自研究も含め、飛騨江馬氏の歴史を解明するうえで示唆に富む一書。

[目次]
はじめに
1 謎多き飛騨江馬氏
飛騨史に伝わる江馬氏
飛騨の史料に紹介される初代江馬氏の飛騨入りの経緯
2 「吾妻鑑」に記録が残る「朝時」「光時」「公時」「飛騨」等の関連記事
飛騨と伊豆の初代江馬小四郎
飛騨江馬2代・3代の矛盾
朝時・公時の逝去の矛盾
伊豆の初代 江間小四郎・北条義時
伊豆の「藤原朝光」と飛騨の「藤原朝光」
北条義時の死の謎
江馬氏と鎌倉街道の関わり
飛騨の鎌倉街道筋に残る江馬氏の遺構
鎌倉街道と「天台宗」の広がり
江馬館は「承久の乱」北陸方面征圧の一拠点か
「朝時」の嫡男「光時」
「江馬館」の伝承
飛騨の江馬館、伊豆江間で出土する「かわらけ」
「江馬館」以外の遺構
3 江馬氏の家臣「四条氏」の歴史から江馬氏を知る
江馬氏の家臣「四条氏」
越中鎌倉街道と日蓮
越中国「太田乗明」とは
日蓮と「朝時」の関わり
日蓮の書状に見られる江間光時
光時の子は「公時」ではなく「親時」である
「四条家」と飛騨の関わりについて
「四条頼基」とは
長野県飯田市殿岡に伝わる四条頼基
「とのおか」は飛騨神岡町殿の江馬館の可能性
江馬光時と家臣「四条頼基」の関わり
「姉小路家」の系図に「頼基」
「姉小路頼基」をめぐる歴史
姉小路頼基と四条頼基の父について
「熊王」と関わりのある姉小路忠時と四条頼基の歴史
姉小路頼基も四条頼基も鎌倉在住
姉小路「左兵衛佐」と四条「左衛門尉」
出家時の比較
姉小路頼基・四条頼基 身命に及ぶ社会環境
4 飛騨と信濃国・佐渡国との関わり
「飛騨神岡」が信濃国の可能性について
鉱山で栄えた飛騨と佐渡
貨幣を大陸から輸入していた時代からの転換
飛騨と佐渡の稲作、「車田」植え文化
日蓮と佐渡
四条頼基と佐渡
京極氏と佐渡
5 四条頼基の主君「江馬親時」の居所判明か
日蓮書状に見る「江馬親時」
遠州紀州江馬家系図に見る「江馬親時」
「親時」の居所は越中国
「親時」の越中入りは文永9年「二月騒動」後
吾妻鑑での「光時」・「親時」の居所
「江馬常盤介朝光」について
「江馬修理亮知時」について
江馬公時の孫 時有の越中伝承
6 姉小路頼基と四条頼基 年表での比較
7 四条頼基の所在地は「荒城郷」の可能性
鎌倉から飛騨に入る目的は、「蒙古襲来」への備えか
伝説の名馬の産地、飛騨
姉小路氏の居住地「安峰山」
安房山の眼下に広がる荒城郷「八日町」「木曽垣内」
越中国の武将「桃井直常」と「姉小路家綱」
8 藤原・四条家と飛騨の関わり
9 承久の乱北陸道軍「佐々木信実」と飛騨の関わり
「佐々木信綱」子孫歴代が飛騨守護
10「江馬小四郎輝経」飛騨入国伝承の誤認を指摘する
初代江馬輝経の母「益世姫」の誤認
江馬家重臣・和仁氏は古代から飛騨に存在した
11 新説・北条義時が「輝経」と名を変え飛騨入りした
① 最大の理由 刺客から逃れるため
② 未亡人「伊賀の方」の動き
③ 義時 承久の乱東山道北陸道軍に帯同か
④ 高麗人など大陸からの侵略に備えるための飛騨入り
⑤ 義時に続いた子孫の飛騨入り
おわりに
引用文献

[担当からのコメント]
歴史は研究者だけでなく誰にでも開かれていると改めて感じさせてくれる本書。情報を収集し、史料にあたり、自分の足で調査する、そんな郷土史研究の魅力が詰まった一書となっています。ぜひご一読ください。

[著者紹介]
田中司(たなかつかさ)

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