本当の「自分の居場所」を探している人へ

先日、文学レボリューションの
一次審査が終わった。
参加者の「たぎり」がすごかった。
鋭利というよりは、大きなハンマーで
殴られたような鈍痛で、想いが伝わってくる。

そして感想文を読んで、思ったことがある。
みんな、作家になりたいわけではない。
自分の居場所を見つけたいんだ。
その答えのひとつが、作家なんだ。

それからこんな想いも感じた。

「どの参加者にも負けたくない、
負けてはいけない」
「私は期待をされているから、
それに応えなくてはいけない」

こんな「◯◯でなくてはいけない」というマインドだ。

こういうマインドだと、
走るエネルギーがあっても、
居場所が見つからなくて不安になるだろう。

ところで居場所って、どんな場所だろうか。
学校や会社、サークル、
そんな目に見える場所だろうか。
「みんなといると、本当に落ち着くよ」
そんなことが言える人たちの中だろうか。

本当の居場所は、
そんな外から来るものではない。
本当の居場所とは、
心の在りよう、自分の中にあるのだ。
居場所とたぎる瞬間が同じであれば、
人は前向きに生きていける。
そのたぎる瞬間も
「私はこうしなくてはいけない」
と辛くなるものではなくて
「こうするのが私なんだ」と
自分を受け入れられるものであれば、
どこにいても居場所になるはずだ。

高杉晋作の詠んだ歌
「下の句は野村望東尼という
女流歌人が加えたらしい」に、
次のようなものがある。


『おもしろきこともなき世をおもしろく
住みなすものは心なりけり』


現代語訳で
『もともと面白くも何ともない
《この世》を面白く生きるか
どうかは”心の在りよう次第”だ。
つまらない世の中も、
自分の心次第でおもしろくなるよ』

幕末の激動の時代でさえ、
世の中はつまらないものだった。
おもしろいかどうかは、
心の在りよう次第なのだ。

ところで今度は文学ではなく、
世の中をおもしろくするための
プロジェクトを開催しようと思っている。
それもまた、みんなの居場所づくりの
きっかけになるかもしれない。


株式会社 22世紀アート
代表取締役 向田 翔一