日本将棋と西遊記:その構造から解く7つの謎

(著) 永松憲一

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[商品について]
――日本で発掘された最古の将棋の駒と現在の駒の相違点は、次のどれでしょうか。
1.五角形ではなかった、2.玉将のみで王将はなかった、3.成り駒がなかった
正解は本書「第5章 平安の古将棋」をご覧ください。
将棋と西遊記、一見して何の関係もなさそうなこの2つは、実は両者を特徴づけるいくつかの数字において、興味深い一致がある。偶然か、はたまた西遊記を読んだ人が将棋を作ったのか、あるいはその逆か――本書はそのような不思議に導かれながら、「駒はなぜ40枚なのか」などの将棋にまつわる謎やルールの変遷、チェスなどの類似ゲームとの違い、あるいは麻雀との類似性などを、思想的、機能的、意味的、数理的に解き明かし、将棋を統一的に論じ尽くす。これまでに世に問うてきた「麻雀」「囲碁」のゲーム論に連なる、第18回新風舎出版賞のノンフィクション優秀賞受賞の将棋論。

[目次]
はじめに 将棋の駒はなぜ五角形なのか~西遊記で解く将棋の謎~
第1章 将棋の謎と西遊記
1 将棋の謎とは何か
2 駒の種類と配列
3 西遊記
4 易と西遊記
第2章 チャトランガとチェス
1 駒の配列と動き
2 歩兵は何を表すか
3 将棋と麻雀
第3章 マークルックと仏教の思想
1 〝種〟と〝根〟の意味すること
2 〝空〟と〝中〟の思想
3 囲碁と〝空〟と〝中〟
4 共時と通時(局面と手)
第4章 象棋と易の思想
1 象棋とチャトランガの比較
2 盤と陰陽の論理
3 師・士の駒と王宮
4 河と駒の配列
第5章 平安の古将棋
1 将棋の歴史
2 古将棋再現
3 駒の動きが意味するもの
4 駒は何故5角形か
5 9路盤への変化
6 将棋の〝ふるさと〟考
第6章 将棋の発展
1 酔象の謎
2 飛車・角行の登場
3 取り駒の活用
4 交換の原理:構造主義の理論
5 物が持つ2つの側面:意味と機能
6 駒の意味
第7章 将棋の謎を解く
1 将棋の伝播
2 日本での発展
3 将棋と象棋の関係
4 駒は何故40枚か
5 孫悟空はどこにいるのか
第8章 駒の住む世界:意識
1 〝6合(リクゴウ)〟
2 2・3・5のゲーム
3 麻雀に見る〝人(ジン)〟の世界
4 無限集合論は何を示しているか
5 ことばに見る記号の性格
あとがき  駒は何故5角形か
参考文献
著者略歴

[担当からのコメント]
スポーツを含めたゲームのルールや決まり事は、一見するとゲームを効率的に進めるため、必然的に作り出されているように感じられます。しかし、将棋はなぜ取った駒を使えるのか、駒の形はなぜ5角形なのかなどの、将棋の謎を紐解いていくと、単なる必然性を超えた、複雑な事情が垣間見えてきます。ゲームそのものだけでなく、その歴史や背景にも潜んでいる知的楽しみを味わえる、そんな作品です。

[著者略歴]
永松憲一

1965年 早稲田大学商学部卒 59歳
情報システム部長時代に根來氏が唱えるLYEE理論に出会う。
爾後、意味論を基礎に情報科学、ゲームの構造を研究する。
現 ソフトウェア生産技術研究所勤務
著書
「LYEE入門」1999年発行 ソフトウェア生産技術研究所(非売品)
「麻雀の原理を探る―心の旅路―」2001年発行 星雲社
「囲碁はなぜ交点に石を置くのか―囲碁学への招待―」2002年発行 新風舎

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