在宅療養科の詩

(著) 佐藤保生

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作品詳細

[商品について]

―人が人を診る、その根源に立ち返ったとき、新しい医療が生まれる―

当時としては珍しい在宅医療専門の科として平成11年に岩手県釜石市民病院に創設された在宅療養科。通院困難な患者さんのために病院スタッフが出向くという基本的姿勢のもと、在宅療養科は地域の要請に対応しながら、スタッフ一丸となって患者さんが自宅で最期を迎えるための医療に取り組んできた。本書には、残念ながら病院の統合によってなくなったこの在宅療養科の歩みが、印象深い患者さんや現場でのエピソードとともに綴られている。第三の医療として社会に認知されつつある在宅医療に明るさを持ちこみ、新しい医療の形を目指した示唆に富む記録。



[目次]

はじめに

第一部 在宅療養科の詩

第1話 在宅療養科の誕生

第2話 自宅で最期を看取る

第3話 家族の医学的力量

第4話 発想の転換 その1

第5話 発想の転換 その2

第6話 発想の転換 その3

第7話 おいしい話

第8話 感慨

第9話 バッテリーが上がった!

第10話 歌の力

第11話 過去が癒す

第12話 レントゲン撮影

第13話 われは海の子

第14話 一言が変えた!

第15話 自分流の看取り

第16話 パソコンカレンダー

第17話 重大な問題

第18話 お弁当作り

第19話 ラジオの勧め

第20話 何歳になっても伸びる

第21話 初メール

第22話 社交性

第23話 茶の間のベッド

第24話 ほがらか

第25話 孫の力

第26話 戦力アップ

第27話 雑談の意義

第28話 町田市との交流

第29話 時間指定サービス

第30話 新しい連帯

第31話 プライバシー

第32話 三浦敬三讃歌

第33話 鍵は自立か

第34話 朗報

第35話 連日往診

第36話 地理の話

第37話 インフォームド・コンセント

第38話 現場の話

第39話 引越し

第40話 夜の往診

第41話 声の力

第42話 介護ロボット

第43話 NHKによる放送 その1

第44話 NHKによる放送 その2

第45話 一言の感想

第46話 休日往診

第47話 積み重ね

第48話 ヘルパー誕生

第49話 車の事故

第50話 クローズアップ東北 その1

第51話 クローズアップ東北 その2

第52話 在宅リハビリテーション その1

第53話 在宅リハビリテーション その2

第54話 訪問看護スタート

第55話 研修受け入れ

第56話 石井好子の最後のリサイタル

第57話 キャッチフレーズ

第58話 その後のあいさつ

第59話 終末期医療

在宅療養科その後

第二部 日々是雑感

診療所つれづれなるまま

森は海の恋人

トラキチはなぜ道頓堀川に飛び込むのか

教科書問題

ナースキャップはナースの魂

ああ、誤審

看護婦の名称は生き延びるか

「患者様」考察

ことばの乱れ

プライバシーだけが大事か

高橋尚子をアテネ招待選手に

政権交代と地域医療 ―為政者は寛容さもって―

第三部 講演「在宅医療の意義」

あとがき

初出一覧

著者略歴



[担当からのコメント]

単に病気を治して健康を取り戻すだけではなく、患者である当人がどう生きたいのかにも目を向けることがこれからの医療には必要なのではないかということを、本書は私たちに問いかけます。医療従事者の方はもちろん、地域医療に関心のある方にもぜひ手に取っていただきたい作品です。



[著者略歴]

佐藤 保生(さとう・やすお)



1948年、岩手県九戸村生まれ。石巻高校、東北大学医学部卒。岩手県胆沢町立若柳病院長、同町立まごころ病院長、釜石市民病院在宅療養科長兼釜石市立平田診療所長、石巻市立病院内科部長などを経て診療所在宅医療を運営。石巻市在住。著書に『ふるさとの病院 まごころ病院誕生物語』。

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