はじめての人のための琉球・沖縄史──独自の歴史と文化をやさしく学ぶ

(著) 伊波勝雄

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作品詳細

[商品について]
―沖縄を見れば、日本の歴史の隠れた側面が見える―
日本の中でも、沖縄は他の都道府県とは異なる独自の歴史を持っています。本書は、学校の歴史の授業ではほとんど触れられることのないそんな沖縄の歴史を、先史時代から米軍が駐留する戦後まで、どなたにも読みやすく分かりやすく解説した琉球・沖縄史入門です。新石器時代の「貝の道」とよばれる交通路や神話・伝説の王統、薩摩の侵入と近世琉球、沖縄県の誕生、太平洋戦争の敗戦と米軍統治、そして本土復帰と沖縄の現状など、その長い歴史の中でも特に重要な事柄を取り上げ、沖縄の栄光と苦難の歩みとそこに生きる人・社会・文化を通史として学べる格好の一書。

[目次] ※一部省略
発刊のことば
第1章 先史時代の琉球列島(原始~12世紀)
第1節 先史時代のはじまり
1 人類のおこり
2 琉球列島の生(お)いたち
3 旧石器時代の沖縄
4 旧石器時代の沖縄の化石人骨と貝文化
第2節 貝塚時代(新石器時代)の沖縄
1 貝塚時代
2 貝塚時代 早期
3 貝塚時代 前期
4 貝塚時代 中期
5 貝塚時代 後期
6 南島と日本本土との交流
第2章 古琉球の時代(12世紀~1609年)
第1節 古琉球の時代
1 農業と村のおこり
2 按司の登場
第2節 神話(しんわ)・伝説(でんせつ)の王統
1 天孫(てんそん)氏(し)王統
2 舜天(しゅんてん)王統
3 英(えい)祖(そ)王統(おうとう)
4 察度(さっと)王統
第3節 第一尚氏王統の時代
1 巴(は)志(し)の登場
2 第一尚(しょう)氏(し)王統(おうとう)の成立
3 琉球王国の誕生
4 名将(めいしょう)・護(ご)佐(さ)丸(まる)
5 英雄(えいゆう)・阿(あ)麻和(まわ)利(り)
6 護佐丸・阿麻和利の乱
第4節 第二尚氏王統の時代
1 尚(しょう)円(えん)王(おう)
2 尚(しょう)真(しん)王(おう)
3 王朝(おうちょう)文化(ぶんか)
第5節 甘藷(かんしょ)と野國(のぐに)總管(そうかん)
1 少年の思い
2 ウム大主(うすー)
3 野國總管を称える事業
4 日本の甘藷(かんしょ)功労者(こうろうしゃ)
第3章 近世の琉球(1609年~1879年)
第1節 近世琉球のはじまり
1 薩摩(さつま)の島津(しまづ)氏(し)と琉球
2 島津氏の琉球支配
第2節 琉球王国の立(た)て直(なお)し
1 羽地(はねじ)朝(ちょう)秀(しゅう)の政治改革
2 蔡(さい)温(おん)の政治改革
3 地方農村の生活風景
第3節 琉球文化の黄金(おうごん)時代(じだい)
1 史書などの編さん
2 琉球の歌と三線と舞踊
3 美術工芸
4 空手(からて)(唐手(からて))・古武道(こぶどう)
第4節 欧米人(おうべいにん)の来航(らいこう)とジョン万(まん)次郎(じろう)
1 外国(がいこく)船(せん)の寄港(きこう)
2 ペリー来航(らいこう)
3 ジョン万次郎の琉球上陸
第5節 琉球王国時代の教育
1 中国帰化人の教育
2 琉球の士族・庶民の教育
第4章 近代の沖縄(1879年~1945年)
第1節 沖縄県の誕生
1 明治(めいじ)維新(いしん)
2 琉球(りゅうきゅう)処分(しょぶん)
第2節 苦しい道を歩んだ沖縄県政
1 明治政府の旧慣(きゅうかん)温存(おんぞん)策(さく)
2 日清戦争と沖縄
3 沖縄の自由(じゆう)民権(みんけん)運動(うんどう)
第3節 近代の沖縄
1 間(ま)切(ぎり)から村・字へ
2 商工業の発達
第4節 近代沖縄の教育
1 初等教育と師範学校の設立
2 沖縄県の中等教育
第5節 戦争への道
1 日中戦争
2 アジア太平洋戦争
第5章 現代の沖縄(1945年~)
第1節 アジア太平洋戦争
1 地上戦の島・沖縄
2 沖縄戦終わる
第2節 戦争と学校教育
1 戦時体制下の教育
2 ゼロから出発した戦後教育
第3節 戦争遺跡(嘉手納町の事例(じれい))
1 記念(きねん)碑(ひ)
2 建造物
第4節 米軍の沖縄支配
1 日本の敗戦と戦後沖縄
2 冷戦と沖縄
3 アメリカの軍事支配
4 祖国復帰運動
第5節 新生沖縄県
1 祖国復帰への道
2 新生沖縄県の誕生
3 復帰記念事業
4 復帰後の社会
5 平和と文化のかおる沖縄県
資料編
沖縄の年中行事
旧暦による沖縄の主な年中行事
歴史年表
参考・参照・引用文献/写真・資料提供
著者略歴

[担当からのコメント]
米軍基地の移転問題ひとつとってみても、沖縄の人々と本土の人々の温度差に驚かされることがありますが、その原因のひとつは本土の人々が沖縄の歴史と現状をあまりにも知らないことにあるのではないかと思います。世界に誇る沖縄の歴史・文化への理解を深める一助として、本書を多くの方にご活用いただければ嬉しく思います。

[著者略歴]
伊波 勝雄(いは かつお)
1939(昭和14)年1月7日
沖縄県中頭郡嘉手納町屋良に生まれる。
【学歴】
屋良小学校、嘉手納中学校、読谷高等学校、東洋大学経済学部経済学科卒業。 
【職歴】
中学校社会科教諭(山田中学校、越来中学校、伊計中学校、美里中学校)。初代宜野湾中学校教頭。コザ中学校校長。川崎小学校校長。沖縄県教育庁中頭教育事務所人事主査・指導主事・指導課長。嘉手納町教育委員会教育長。沖縄県町村教育長会会長。嘉手納町史編纂審議会委員長。嘉手納町文化財調査審議会委員長。
【受賞・表彰歴】
沖縄タイムス教育賞受賞。中学校教育50周年記念文部大臣賞受賞。地方教育行政功労文部科学大臣賞受賞。瑞宝双光章受章。甘藷伝来410年祭甘藷功労賞受賞。嘉手納町制施行40 周年記念教育功労賞受賞。
【主な共編著書】
「社会科系教科教育の理論と実践」(清水書院)、「社会科のための民俗学」(東京法令)、「沖縄の社会と文化」(教育出版センター)、「世替りにみる沖縄の歴史」(むぎ社)、「角川日本地名大辞典〈沖縄県〉」(角川書店)、「沖縄歴史地図〈歴史編〉」(柏書房)、「沖縄の英雄伝」(むぎ社)、「文部省検定教科書中学校社会科」(教育出版)、「嘉手納町の先人たち」(嘉手納町教育委員会)、「嘉手納町屋良誌」(嘉手納町字屋良共栄会)、「屋良の民俗誌~屋良風土記~」(嘉手納町字屋良共栄会)、「写真に見る屋良村の昔と今~ヤランチュの戦前・戦中・戦後を生きた証~」(嘉手納町字屋良共栄会)、「伊波一門 門中誌」(丸正印刷)、「折々の記~わが思索のあと~」(第一資料印刷)、「喜寿記念 我・人・自然を恋うる歌」(第一資料印刷)、「平成甘藷考~野國總管を中心に~」(第一資料印刷)、「記念誌 野國總管」(嘉手納町)、「甘藷と野國總管」(嘉手納町)、「嘉手納町の歴史と文化」(嘉手納町)ほか

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