不徳――生きる意味とは

(著) 上杉辰

Amazon

作品詳細

[商品について]
―倦怠と無関心の中を生きる全ての夫婦へ―
妻の久子と出会ったとき、私には幼馴染で結婚を意識し合った恋人・静香がいた。元華族の家柄の生まれで上品な性格の久子に心が移ると、私は騙すように静香と別れて久子と結婚した。しかし子供も生まれ結婚生活が落ち着くと、私は出世欲や夜遊びの快楽に溺れ、次第に家庭を蔑ろにするようになってゆくーー。不徳の中を生きる「私」と妻・久子の人生を縦糸に、日本統治下での朝鮮の歴史や人々の生き様、人間の中にある愚かさを織り込んで紡ぎあげた、夫婦と生の物語。

[目次]
はじめに
妻を娶(めと)らば
犬猿の仲
詰問の夜
風の音
砂上の城
栄光の陰で
済州島へ
旅の始まり
大河内家族の朝鮮
幸不幸
二つの出来事
予期せぬ出来事
隠遁生活
天罰覿面
儚きかな人生
死神に勝てず
あとがき
略歴

[担当からのコメント]
仮想の人生を描くのが物語であっても、その物語が読者の人生に触れるとき、それは現実となって意味あるものへと変わっていきます。本書の中にある人生に、あなたは何を見るでしょうか。この物語が、あなたの人生にとって良き出会いであれば嬉しく思います。ぜひご一読ください。

[著者略歴]
上杉辰(うえすぎ しん)

私に皆様に誇る程の経歴は有りませんので今、私が思うことを一筆認(したた)めて見ます。
夕暮れの寒い静かな部屋のテーブルの前の座布団に一人ぽつんと座り佇むと人生の黄昏どきを強く感んじます。
仕事に遊びに情熱を滾(たぎ)らした、若き日々を思い浮かべると懐かしくも有り遣る瀬ない気持にも成ります。もう一度、あの日に戻りたいがそれは夢の夢、この頃、時々紙の上にペンを走らせることに何んの意味が有るのだろうと自問自答することも有りますが今の私に出来ることはこれだけと己に言い聞かせ文字を追って居ます。

新刊情報