久道陽吾短編小説集──黄昏の人々

(著) 久道陽吾

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作品詳細

[商品について]

―血肉ある人間が織りなす7つの生の風景―

山の斜面の痩せ地で炭焼きと鶏飼いを生業とし、闘鶏が盛んに行われる追端(おっぱ)地区。終戦後に町から流れて来た文治は、その東京言葉とインチキくさい鶏の売買で地元の人間から不評を買っていた。鳥好きのよしみで文治と付き合いのある山忠のもとには、いつも文治とひと悶着おこした住民たちが血相を変えて飛び込んでくる。そんなある日、丹精込めて育てていた軍鶏に突然死なれてしまった孝太は、殺されたからに違いないと文治に疑いの目を向けるーー排他的な山村を舞台に、軍鶏にとりつかれた男たちの姿と人間の性を郷土の風景の中で描いた初期の名作「たらら橋」をはじめ、7編の短編を収めた作品集。



[目次]

たらら橋



マッシー涌谷のクラス会

厚底サンダル

灯台ピカーリ

虚無僧

蜃気楼

あとがき

著者プロフィール



[担当からのコメント]

小説を読むということがその中にある時間を生きるということだとすれば、本書に収められている作品は、どれもその時間をじっくりと愉しみ味わうことができるものばかりです。読後のしずかな余韻が心に沁みる本書、ぜひご一読ください。



[著者プロフィール]

久道陽吾(ひさみち・ようご)



1934年生まれ。宮城県出身。神奈川県藤沢市在住。

20代に同人誌「ゲイト」を主宰。同誌に掲載した「たらら橋」が毎日新聞の同人雑誌評欄にとり上げられ、注目を浴びたが、故あって執筆活動を中断。

1995年頃から活動を再開し、現在は精力的に執筆中。

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