兆民老人『文章経国』の遍歴―中江兆民最後の書:私と兆民のミッシングリンク、その謎を探る

(著) 栁下誠

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作品詳細

[商品について]

―兆民の絶筆をめぐる旅は、自らと日本の歴史をたどる旅ともなった―

「本物であれば大発見です」

終活の一環として、妻の母から譲り受けた中江兆民の「文章経国」の額に目を留めた著者は、あまり保存状態のよくないその書の価値を知るために、何の気もなく鑑定に出した。しかしそれは自身のルーツをたどり、兆民とのミッシングリンクを探究する、思いもかけない日々の始まりだった――中江兆民が死の床で書いたといわれ、長らくその所在が不明だった「文章経国」の書の発見と調査の行方を、自身の生い立ちも絡めながら綴ったノンフィクション記録。



[目次]

はじめに

第一章 兆民老人の書をいただく

本資料が本物であれば大発見です

年表を作り故人の人脈をたどる

兆民絶筆『文章経国』の行方

なぜ(額)に変身したのか

第二章 私の生い立ち

東京に出る

高校に進学する

第三章 社会人となる

初めての軽井沢

国内出張から海外出張へ

人事畑の仕事

再びイランへ

サウディアラビアに赴任

海外勤務者と海外企業のサポート

異分野の業務に挑む

平成大不況から退職まで

異業種に転職し海外へ

フィリピンでの仕事

タイからドイツまで

業務経歴を閉じる

第四章 『文章経国』の遍歴を探る

原本を求めて

早稲田大学に入る

本物の探求

第五章 ミッシングリンクの探索

第六章 軽井沢・大接近

第七章 百二十年の遍歴

編集後記(その一)

尾崎士郎記念館を訪ねて

編集後記(その二)

原本か複製かの鑑定を行う

編集後記(その三)

兆民老人の故郷を訪ねて

参考文献





[担当からのコメント]

中江兆民といえば歴史の教科書にも出てくる自由民権運動の中心人物ですが、本書は長らく行方不明とされていた兆民の絶筆の書の「その後」をたどる大変興味深い調査記録になっています。読み物としてもお楽しみいただける本書、ぜひご一読ください。



[著者プロフィール]

栁下 誠(やぎした・まこと)

1943年疎開先の千葉県に生まれる。翌年父死亡、戦後の混乱のなか幼少期を過ごす。

進学のため14歳にして東京に出る。専業エンジニアリング企業に入社、モーレツ社員時代に各種海外プロジェクト業務を経験。

産業カウンセラー、キャリアカウンセラー、心理相談員等経験。無煙焼き鳥機を開発しCEマークを取得、仲間とフランスに焼き鳥店を開く。

好奇心旺盛、多趣味マルチ人間。外洋クルージング計画は東日本大震災の津波で所有艇を損傷し断念したが、後にカリブ海BVIから南太平洋タヒチ島まで120日間クルージングを果たす。現在は終活をプログラム化して遂行中。

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