北極星からのおくりもの――今堀睦夫童話作品集

(著) 今堀睦夫

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作品詳細

[商品について]
―小さな力が、やがて大きな力になるのだ。だれも気がつかなくても―
トイピラ川に架かるその橋の上には、アーチ状にもうひとつの橋が架かっています。ユウキはその橋ができてからというもの、退屈になるといつもこの橋の上の橋にのぼって、あたりを眺めるのでした。橋の上であげた凧に引っ張られて空をさまよったり、おじいさんからお金が湧いてくる財布をもらったり、その「橋の上の橋」の周りでは、今日も人知れず不思議で素敵な出来事が起こっているのです――少し不思議で幻想的な物語の中に自然や命の大切さが詰まった「橋の上の橋」、タカシと朝鮮人スンヒーの出会いと悲しい別れを描いた「赤いビー玉」、日本人の樺太からの引き揚げを描いた「引き揚げ」など、生まれ故郷の樺太と北の大地を舞台に、「北のささやかな風」を感じさせる物語をまとめた珠玉の創作童話集。

[目次]
Ⅰ 橋の上の橋
(1) 凧(たこ)に乗って
(2) 雪どけの川
(3) 花火の夜
(4) 手押し車のおばあさん
(5) 勲章(くんしょう)の国
(6) 白いカラス
(7) 天使の旅だち
(8) 迎えに来たアゲハチョウ
(9) へらない財布(さいふ)
Ⅱ 微光へのあゆみ
ゆうた君と電車
ミヨちゃんとスズメ
北極星からのおくりもの
小さな力
桜桃(さくらんぼ)の里
夕日に向かってシュート
未 来 星
Ⅲ 薄明の出会い
Ⅳ 産土(うぶすな)はいづく
いっときの秋
引き揚げ
雪すだれ
道夫の四季
あとがき
著者紹介

[担当からのコメント]
童話は子供向けの物語ではありますが、そこに込められたメッセージは大人にとっても大切なものが多くあります。本書は小学生から中学生くらいまでの子供たちを念頭においた創作童話集ですが、それぞれの作品には生命や老い、戦争など大人として考えさせられるメッセージが込められています。ぜひ親子で楽しんでいただければ嬉しく思います。

[著者紹介]
今堀 睦夫(いまほり・むつお)

1933年  樺太豊北本川上に生まれる
1956年  北海道学芸大学卒業
1969年  慶應義塾大学卒業

著書
 『しのび』(樹の会出版部、1984年)
 『幻 聴』(樹の会出版部、1990年)

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