天授

(著) 青木路春

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作品詳細

俳句生活60年余り、その間に詠み続けてきた無数の俳句の中から、俳人・青木路春氏の脳裏
に今も鮮烈に焼きついている作品400句が、1冊の句集になりました。

富士


生活

全4章に分けられたテーマの中には、青木路春氏の並々ならぬ想いが込められています。

「富士」では、度々訪れる富士吉田のふるさとへの今尚捨てきれない憧憬と、箱根・西伊豆・
三島・沼津・御殿場の地から鑑賞する、表情を変える美しい其の山に魅せられ詠み続けてきた
渾身の俳句を収録しています。

「海」では、氏が生涯住み続けてきた真鶴の海を中心とした句集です。海は折々に表情の変化
をみせます。凪の日、波の日、嵐の日等、そして、自身が少年時代に泳ぎ遊びまわった海、高
潮に飲み込まれそうになり命拾いをした脅威としての海。決して穏やかならざる海の様々な風
景を垣間見せてくれる作品集です。

「旅」では、旅行経験は少ないという氏が捉えた、自身にとって珍しくもある異郷の土地や風
景を、その新鮮な驚きと感動と共に綴ります。

「生活」では、真鶴に拠点を置く氏が、真鶴地域の人々の生活や特徴的な活動などを載せた、
地域性の高い作品です。そして、章後部には、初の試みで、氏の自分史的俳句の連作を掲載し
ています。

青木路春氏は、半世紀以上もの時代を俳句に収め続けてきました。
そのすべての俳句は、日本社会や生活様式、そして自然の様相の急速な変化を読み手に伝えて
くれます。
本書は、俳人・青木路春氏の一大俳句集であると同時に、日本の変化を生々しく映す、いわば
俳句で綴る近現代史としても興味深い書籍です。

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