季節の移ろいと生き物たち(上)──子どもたちに伝えたい自然と文化

(著) 大森拓郎

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作品詳細

[商品について]
―あらゆる命が動き出す季節―
環境の変化やそれに伴う自然災害、または外来種の流入などによって、生物の多様性に変化が起こっている。その一方で、子ども達の遊びの場はリアルな自然環境から、デジタル空間へと移行し、生物多様性への関心はますます遠のくばかりである。しかし、たとえ自然に目を向けなくとも私たちは季節の移ろいなど、自然の変化に適応して生きている。本作は都心のある地域を取り上げ、上下巻を通して9つの季節の移ろいと、それに適応している人々と生物達の共に生きる姿を描き出し、読者の心に宿る生物多様性への関心を呼び起こす。ーー上巻にあたる本書では、1月から7月前半までを5つの季節に分け、動植物の冬越しの様子や春から夏にかけて活発に動き出す生き物たちの姿に迫っていく。本書は、電子書籍「季節の移ろいと生き物たち――子どもたちに伝えたい自然と文化【電子書籍版】」の改訂版です。

[目次]上巻
はじめに
POD版発刊にあたって
本書を読まれる前に
季節の移ろい
第1章 新年・厳冬(1月~2月前半)
正月行事と伝統文化の維持
縁起植物
植物の分類体系
寒さの底と節分
真冬の実と花
エルニーニョ現象と地球温暖化
植物の冬越し
動物の冬越し
冬場の野鳥観察
冬の気象現象
第2章 早春(2月後半~3月前半)
春の兆し
スギ・ヒノキたちの仲間
春告花
早春の野草
春の味覚
草と木の違い
動物の目覚め
第3章 春(3月後半~4月)
地球温暖化
眠りからの目覚め
春爛漫の季節
サクラ
晩春に咲く花
花の観察ポイント
春の花を訪れる昆虫
被子植物と動物との共生
野鳥の繁殖期
希少な野鳥の都会進出
春の食材
第4章 初夏(5月)
子どもの成長を祝う
若葉の頃
初夏の昆虫と虫こぶ
白い花と昆虫
アゲハチョウの観察
初夏に咲く花
よく似た花
初夏に花咲くイネ科植物
初夏に花咲く帰化植物
帰化植物
春の野草の種子散布
草花遊び
危険な植物
危険な小動物
梅雨入り前の実と花
第5章 梅雨(6月~7月前半)
梅雨時の行事
梅雨時の実と花
よじ登り植物
梅雨時の昆虫
両生類・爬虫類の仲間
軟体動物
バイオミミクリー
カブトムシ
コガネムシの仲間
土壌生物
昆虫と蜜源
葉っぱ
タケとササ
コケとシダ
昆虫の描き方
著者紹介

[出版社からのコメント]
本書は生物多様性がテーマの1つである本ですが、その内容は単に生物の解説に留まるのではなく、生物の営みと私たちの生活がどれだけ共鳴し合っているかを詳らかにする、いわば自然と文化を1つの文脈の中で語り直す意欲的なものとなっています。特に1月から7月までを取り上げた上巻では、長い冬を越え、気温の上昇とともに少しずつ元気な姿を見せ始める生き物たちや、その自然の恵みを享受する私たち人間の姿が鮮やかに描かれています。生物多様性への関心を取り戻し、その上でどう行動すべきなのか考えさせる一冊です。

[著者紹介]
大森拓郎(おおもり たくお)
1940年三重県四日市市生まれ。日本銀行退職後、東京短期金融市場に在籍。2001年にフリーになって以降、地元での東大農場存続運動等自然保護活動に参加。並行して、主に園児・小学生児童を対象にした自然観察指導を行い現在に至る。地元児童館での月1回開く「自然観察みどりの教室」は、2020年1月に190回を迎えた(以降、新型コロナウイルス感染拡大から休止していたが、2023年6月から再開)。この間、西東京市環境審議会委員、東大生態調和農学機構社会連携協議会委員等歴任。現在、日本自然保護協会自然観察指導員。趣味は油絵、登山。
(著書<冊子>「都市における生物多様性~私たち、一人ひとりがどう取り組むか~」「フライブルク見聞記」)

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