感染症と闘い、感染症と生きる―公衆衛生と感染予防の現場から医師が語りたいこと

(著) 工藤磐

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作品詳細

[商品について]
――現在でも世界最大の感染症と言われる結核ですが、発病せず潜伏しているケースも含め、世界の人口のおよそどれ位が結核に感染していると考えられているでしょうか。
1.1/2、2.1/3、3.1/4
正解は、本書第2章の「2.結核対策」をご覧ください。
あやふやなことが許されず、取り扱いを誤ればアウトブレイクも起こしかねない感染症の対応。本書は、熊本の地で医師として衛生行政に携わってきた著者が、感染症との出会いからこれまで関わってきた感染症との闘いまで、その歩んできた歩んできた道のりを振り返った回顧録である。結核、日本脳炎、B型肝炎、エイズ、SARS、そして新型コロナウイルス――人類と病原体の終わりのない闘いの現場を知ることができる格好の一書。

[目次]
増補版にあたって
序  文
第一章 感染症(伝染病)との出会い
父と結核
医学への道
黄色い血
感染症(伝染病)との関わり
インターン闘争から研究生活へ
研究生活とその成果
赤ちゃんと感染症
伝染病院(熊本市立白川病院)時代
発展的解消(伝染病院から感染症病棟へ)
衛生行政への船出
1.ボツリヌスとの出会い
2.日本脳炎の予防対策
第二章 保健所から保健衛生局へ
保健所と感染症の関わり
1.予防接種
(1)百日咳
(2)ジフテリア
(3)破傷風
(4)ポリオ(急性灰白髄炎、小児麻痺)
(5)麻疹(はしか)
(6)風疹(三日ばしか)
(7)日本脳炎
(8)インフルエンザ
(9)ツベルクリン反応とBCG
(10)予防接種の光と影
2.結核対策
(1)結核の早期発見と感染拡大防止対策
(2)結核審査会の運営
(3)患者管理
3.ウイルス肝炎対策
(1)B型肝炎母子感染防止事業
4.伝染病・感染症・食中毒の四方山話
(1)消化器系伝染病と細菌性食中毒
(2)冬場に食中毒?
(3)〝牡蠣(カキ)〟にとっては迷惑な話
5.欧州地方行政視察研修とWHO訪問
保健衛生局と感染症・食中毒の関わり
1.辞令の重み
2.エイズ対策
(1)熊本市におけるエイズ対策の歩み
(2)エイズ講演会・シンポジウムの開催
(3)市政だより「エイズ一口メモ」の連載
(4)血液製剤とHIV感染
3.健康危機管理と災害医療対策
4.食中毒と感染症の集団発生
(1)サルモネラ・エンテリティディス菌
(2)病原性大腸菌O―157
(3)ノロウイルス
(4)A群レンサ球菌
5.伝染病から感染症対策へ(法の廃止と改正)
現役最後の年
1.感染症新法
2.熊本市老人クラブ連合会総会での講演
3.結核緊急事態宣言
4.市役所生活最後の日
第三章 再出発、そして〝病原体との戦い〟への思い
第三の人生と感染症騒動
1.人生三分論
2.再出発とSARS(重症急性呼吸器症候群)騒動
3.介護老人保健施設とノロウイルス感染
4.精神科病院勤務と新型インフルエンザ騒動
終末期と誤嚥性肺炎
人類と病原体の戦いから学ぶもの
1.人類と病原体の戦い
2.人間社会の愚かな争い
3.「天然痘ウイルス」と「エイズウイルス」
4.東京オリンピック開催決定とマンデラ元大統領の死去
追記
あとがき
参考文献

[担当からのコメント]
現在、私たちは感染症の恐ろしさを身をもって体験していますが、新型コロナウイルスに限らず世の中には多くの感染症が存在していて、それらとの闘いの中で今があるということを改めて知る必要があるのではないかと思います。本書を通じて、多くの方が衛生行政に興味を持っていただければ嬉しく思います。

[著者プロフィール]
工藤 磐(くどう・いわを)
昭和14年6月9日生
昭和33年3月  大分県立竹田高等学校卒業
昭和40年3月  熊本大学医学部卒業
昭和45年3月  熊本大学大学院医学研究科卒業 医学博士号授与
昭和47年7月  熊本市立白川病院長
昭和60年1月  熊本市立西保健所長
平成2年4月  熊本市立熊本保健所長
平成4年4月  熊本市保健衛生局長
平成11年4月  熊本市健康福祉局長
平成12年3月  熊本市定年退職
平成13年2月~平成16年6月  熊本県赤十字血液センター非常勤医師
平成13年9月~平成16年3月  銀杏学園短期大学非常勤講師
平成14年12月~平成16年3月  宇賀岳病院非常勤医師
平成15年2月~平成16年8月  医療法人興和会役員就任
平成16年9月~平成21年3月  介護老人保健施設なごみの里施設長
平成21年4月~平成29年3月  小柳病院勤務医師(院内感染対策委員会委員長)

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