日本の洋楽はオルガンから始まった――音楽史に埋もれたその歴史と文化:明治―昭和オルガン史

(著) 赤井励

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[商品について]
――国産のリードオルガンを最初に製造したのは、次の誰でしょうか。
1.山葉寅楠、2.西川寅吉、3.松本新吉
正解は本書第2章「国産リードオルガン製造の歴史」をご覧ください。
日本の音楽史の中で、これまであまり脚光を浴びることがなかったオルガン。しかし実際には、日本が西洋音楽を受容するうえで中心的な役割を果たしてきたことはあまり知られていない――。明治から昭和20年ごろまでを対象に、国産オルガンの製造やオルガニスト・島崎赤太郎の事跡など、綿密な取材と膨大な資料をもとに、様々な視点から日本の洋楽文化の源流ともいえるその歴史を明らかにした、類書のない日本オルガン史。

[目次]
はじめに
第一章―――懐かしい音、足踏みオルガンの由来
1 キリスト教宣教の神器、リードオルガン
2 公立の小学校に風琴(リードオルガン)が入る
第二章―――国産リードオルガン製造の歴史
1 山葉(ヤマハ)オルガン(内国勧業博覧会の栄光)
日本楽器製造の大型リードオルガンについて
2 輸入オルガン
3 西川オルガン
4 松本オルガン
5 池内甚三郎のオルガン(関西楽器製造の巨人)
6 その他のオルガン製造会社とオルガン販売全般
7 足踏みオルガン修理のご案内
第三章―――嶋崎赤太郎の一生
1 嶋崎赤太郎の生い立ち
2 明治期最初のオルガニスト
3 ライプツィヒの文部省留学生
4 「尋常小学唱歌」と嶋崎赤太郎
5 晩年の嶋崎赤太郎
第四章―――エドワード・ガントレット
1 明治時代のガントレット
2 大正時代のガントレット
3 晩年のガントレット
第五章―――外国人居留地のパイプオルガン導入
1 横浜居留地のパイプオルガン
横浜クライスト・チャーチ
横浜ユニオン・チャーチ(海岸教会)
横浜天主堂(山手カトリック教会)
2 築地聖三一大聖堂
3 神戸のオルガン群
終章―――嶋崎赤太郎以後のオルガン史
1 昭和期(戦前)の楽壇
2 東京音楽協会の謎
3 田辺尚雄と音楽評論
4 昭和初期のオルガン界
5 戦時下のオルガン界
6 終戦直後のオルガン界
7 阪田寛夫氏に答える「替え歌の起源」
協力者・資料提供者(敬称略)
主要参考文献(編年順)
あとがきと自分のこと
著者略歴

[担当からのコメント]
幼稚園や小学校には必ずと言っていいほどあったオルガンですが、その源流には学校唱歌と切っても切れない関係にあったことを知っている方は少ないかも知れません。本書はオルガンから見た日本の音楽史をテーマにしていますが、日本が西洋文化をどの様に受け入れて行ったのかという視点からも興味深くお読みいただける作品になっています。

[著者略歴]
赤井 励(あかい・れい)

1951年、札幌市生まれ
日本大学文理学部哲学科卒業
日本リードオルガン協会顧問、日本オルガン研究会会員、洋楽流入史研究会会員、キリスト教礼拝音楽学会副会長
ノンフィクション作家
共著『原典による近代唱歌集成』全10巻(ビクターエンタテインメント)、ほか

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