渦と暗礁:中田潤一郎短編作品集

(著) 中田潤一郎

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作品詳細

[商品について]
―人生は霧の中を生きるようなもの、かもしれない―
乳業会社で働く佐久間康三は、ある日牛乳の出荷数が合わないトラブルの責任を押し付けられる。かつて労働運動をしたことで会社から睨まれた男が自身の内面と向き合っていく姿を描いた表題作「渦と暗礁」。戦後の過渡期にある自衛隊の駐屯地を舞台にした「吹きだまり」、かっての恋人が自殺した山にいざなわれる男を書いた「死者の山」など6篇を収録した短編集。

[目次]
吹きだまり
桟橋の町
渦と暗礁
死者の山
かぶと虫

あとがき
著者略歴

[担当からのコメント]
本書の物語は昭和30年代から40年代を背景に描かれていますが、そこにはかつて困窮する若者が『蟹工船』に惹かれたような、時代を超えて今という現実を照らす篝火にも似た魅力が感じられます。労働、愛、権力、死、人生の中に茫洋とあり続けるそれらに目を向けた作品の数々、ぜひご一読ください。

[著者略歴]
中田潤一郎(なかたじゅんいちろう)
昭和11年 11月10日生
昭和31年 県立山口高校卒業、在学中より文芸雑誌「紫陽花」を発行、7号で廃刊
     時計会社、県立山口図書館、陸上自衛隊で働く
昭和34年 明治乳業(株)に入社、58年に退職
昭和58年 5月より山口市内にて食堂経営

昭和43年 第1回西日本芸術奨励賞(文学部門)を受賞
昭和46年 山口県芸術文化振興奨励賞を受賞
昭和49年 労働者農民文学者訪中団長として中国の文学者と交流
平成2年 「がんと末期医療を考える会」事務局長に就任、市民運動家となる

平成22年 4月20日 死去

著  書『渦と暗礁』『柵のある風景』
    『あしび亭物語』他
編  著『連 禱─がんと末期医療を考える会の記録─」

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