続・在宅医療が日本を変える 「対人援助」から「問題解決」へ ナカノ理論(問題解決理論)とその実践

(著) 中野一司

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作品詳細

[商品について]
―パラダイムチェンジからパラダイムシフトへ。キュアとケアの哲学―
「キュア」から「ケア」へのパラダイムチェンジを提唱した前著に続き、本書では村田理論におけるキュア・ケア概念と著者の考えるキュア・ケア概念に焦点をあてる。対人援助を中心とする村田理論とは異なる問題解決理論としての「ナカノ理論」を構築し、在宅医療の事例を挙げて検証しながら、今や喫緊の課題となった医療の再生と地域包括ケアシステムの確立においてその理論的支柱となる新たな医療哲学を提唱する。前著を補完し日本の医療の未来を拓く思考の書。

[目次]
巻頭言 現場から生まれたケアそしてキュア ―ナカノ理論とその心意気
序章 村田先生の“苦しみの構造”から ナカノ理論(問題解決理論)へ
第1部 ■ 理論編 ナカノ理論 (問題解決理論)
1章 ナカノ理論(問題解決理論)の構築 “問題の構造”におけるキュア概念とケア概念
2章 ナカノ理論における、キュア・ケア志向の在宅医療(狭義)と地域包括ケアシステム “キュア・ケア志向の在宅医療(狭義)=病院外(地域=在宅や施設)医療=慢性期医療”という新たな医療哲学の構築
3章 ナカノ理論における、自己(Inter-self、一人称)と他者(Inter-personal、二人称)、社会(Inter-social、三人称)との関係
4章 ナカノ理論からみる情報革命(ICT革命)の本質
5章 医療法人ナカノ会の実践(2012年以降の動き)と今後の展望
第2部 ■ 実践編 ナカノ理論の実践 (実際の事例を交えて)
1章 在宅医療の現場(病院外=地域=在宅や施設)の経験が、医師の意識をキュア志向から(キュア・)ケア志向に変える
2章 死ぬ時は、苦しくない ―究極のケア
3章 急変時(心肺停止時)は、救急車を呼ばない
4章 血圧の薬を止めたら、元気になった
5章 入院すると、悪くなる
6章 看取りが覚悟(ケア=現実を受け入れる)できると、長生きする
7章 胃瘻の適応
8章 医師と家族との感覚(経験、主観)の違い
9章 本人は在宅、家族は入院 本人の意思決定の重要性
10章 終末期医療は家族関係を修復する 亡くなる2日前に、20年間の父・息子断絶関係が解消
11章 独居の看取り
12章 物語のような看取り(満足死) 終わり良ければ、すべて良し
13章 親娘3人の看取り
14章 父(肉親)の在宅看取り
15章 母の在宅医療
参考文献
推薦の言葉 静かなる医療革命の理論と実践
もう一つの世界への指南書
あとがき 井形イズムの実践、そして継承 ―限りなきローカルは限りなきグローバルに通ず、そしてグローバル(ナカノ理論)からローカル(地域包括ケアシステム)へ
著者略歴

[担当からのコメント]
本書の理論編は哲学の一大潮流である現象学をベースに展開していきます。哲学が理論のための理論ではなく実践のための理論であるとするなら、本書はまさにその良い実例ではないかと思います。現象学をはじめとする哲学に興味のある方にも、是非手に取っていただきたい一書です。

[著者略歴]
中野 一司(なかの・かずし)
医療法人ナカノ会理事長/鹿児島大学医学部臨床教授/
全国在宅療養支援診療所連絡会ICT局長
1956年3月、鹿児島県阿久根市生まれ。医師を目指すも二浪し東京理科大学薬学部に入学。理科大時代前半は大いに遊び、1年留年をはさんで後半は学問に目覚めた(薬剤師免許取得、ただしペーパー薬剤師である)。さしたる受験勉強なしで81年、鹿児島大学医学部に再入学(医師免許取得)。臨床医学を研修すべく87年4月、鹿児島大学病院第3内科入局。さらに救急部でも研修をつむ。95年3月、鹿児島大学医学部大学院内科系卒業。医学博士(研究テーマ:血液凝固学の分子生物学)。95年4月から鹿児島大学附属病院検査部に所属し検査部内コンピュータネットワークシステムの構築に従事。
1999年9月、象牙の塔を飛び出しナカノ在宅医療クリニック開設(院長)、2003年10月医療法人ナカノ会とし理事長に就任。08年3月鹿児島大学医学部臨床教授に就任。09年2月の第11回日本在宅医学会大会長を務めるにあたりメーリングリストで企画・運営を行い、現在在宅ケアネット鹿児島ML(CNK-ML)を主宰(会員1700名超)。2012年5月、国の在宅医療連携拠点事業を受託。2014年3月1日ケアタウン・ナカノ開設。2017年6月1日のナカノ在宅医療連携拠点センター開設に向け準備中で、充実した毎日を送っている。趣味は読書と学問と仕事。
著書に、『在宅医療が日本を変える キュアからケアへのパラダイムチェンジ―【ケア志向の医療=在宅医療】という新しい医療概念の提唱』(単著、医療法人ナカノ会)、『臨床診断のピットフォール』(只野壽太郎・松井征男監修、医歯薬出版)『感染症』(一山智・丸山征郎編、メディカルレビュー社)『がんの在宅医療』(坪井栄孝監修・田城孝雄編著、中外医学社)〔ともに共同執筆〕ほか。

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