翔ベタンチョウたち:いつか吉備の空に

(著) 井口萬喜男

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作品詳細

[商品について]
―子供たちよ、いつか必ずこの吉備路に帰って来よう―

平成7年1月30日、岡山県自然保護センターのタンチョウ5羽が吉備の空に舞い上がった。それは「岡山の空にタンチョウを」という長年抱き続けてきた夢の最初の一歩であり、これまで歩んできた苦難の道のりが実を結んだ瞬間でもあったーー原因不明の病気で一時は死を覚悟しながらも奇跡的に回復した「ラック」、後楽園で初めて人工ふ化に挑戦して生まれお婿さん探しに行った釧路で悲運の死を遂げた「キビ」、足の筋を痛め最後に嬉しそうに餌を食べて僅か2週間でこの世を去った「アンチャン」など、タンチョウ飼育に人生を捧げてきた著者が、これまで出会った多くの困難と忘れ得ぬ命、そして人工ふ化の経験を綴った鳥と人の命と夢の記録。

[目次]
『翔べ タンチョウたち』の出版に寄せて
『翔べ タンチョウたち』発刊に当たって
プロローグ タンチョウ 吉備路に舞う
岡山のタンチョウ
日中友好の使者
夫婦は同性
タンチョウと私
ロック・クロメとの出会い
高橋さんとの出会い
ロック・クロメ夫婦の帰岡
ラック物語
誕生
原因不明の病気
飛翔
結婚
親別れ・子別れ
ラック・ユリにおめでた
ラック夫婦の恩返し
キビ悲運の生涯
初の人工フ化に挑戦
誕生
餌付けと飼育
転倒するヒナ
帰らぬキビ
再婚しないカック
別れゆく仲間たち
クロメ
ロック
ユキ
新天地へ
出会い
岡山県自然保護センター
アンチャンとチビ
有精卵
人工受精
動いた卵
人工受精成功
誕生
曲否症
アンチャンの死
アンチャンの生まれ変わり
兄弟のように
飛翔
食欲細るアンチャンとチビ
おびえるタンチョウたち
仲間たち
卒業旅行
謹慎
野外実習
坪井さん
野外実習二日目
これからのタンチョウ
吉備路を舞う子供たち
再び吉備路へ
あとがき
著者略歴


[担当からのコメント]

タンチョウたちが自由に飛ぶことができる空は、きっと私たち人間にとっても良い空であるに違いない、本書を読んでいるとふとそんなことを思ってしまいます。種を超えた家族の絆、そして失われたものを取り戻すことの大変さを考えさせられる本書、ぜひ多くの方にご覧いただければ嬉しく思います。

[著者プロフィール]
井口 萬喜男(いのくちまきお)
1940(昭和15)年 総社市生まれ。1963(昭和38)年岡山県職員となり、1976(昭和51)年より岡山県後楽園に勤務。1978(昭和53)年からタンチョウの人工フ化、飼育に取り組む。現在は岡山県自然保護センターに勤務し、傷病鳥獣保護、タンチョウの飼育管理に当たる。

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