認知症の妻、そんな貴女がいい――介護する人の生き方を変えるための、ささやかな備忘録

(著) 吉田一紀

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作品詳細

[商品について]
―昔の妻ではなく、アルツハイマーの妻と一緒に生きていきたいと思うから―
まだ55才の若さで認知症になった妻。現在はグループホームで暮らし、様々な機能を失いながらも歩くことが大好きな妻。そんな妻の幸せそうな笑顔を眺めながら、戦後間もない幼少の頃の懐かしき風景、早く亡くなった父母のこと、苦楽をともにした妹や弟との思い出、妻との出会いから結婚生活、そして幸福になった最近の妻のことを書こうと思った――。
自らの原風景を振り返り、介護される人の幸せ、介護する人の生き方に目を向ける、認知症に関わる全ての人にお届けしたい一書。

[目次]
Ⅰ 子どもの情景
懐かしき風景
バラックの思い出
ビールの記憶
初めての一人旅
貧しい食卓
オナ ジャー
塩鮭(しおざけ)の味
沢食堂のうどん
犬猫の墓場
犬の肉
槇の木
ムクの木
Sさんとハヤシライス
Ⅱ 父母への感謝
父と藁囲(わらがこ)い
ラジウス
父と一緒の時
母と餅つき
母とおこわ
蒸(ふか)しパン
父母の役割分担
頼もしい妹
弟のこと
弟のケガ
二番目の家
東工業進学
初めてのカメラ
青い背広
Ⅲ 妻の周辺
妻との出会い
結婚した訳を話そう
産休補助教員
真っ直ぐな道
二十二の瞳
息子の大学受験
初めての海外研修
三枚の写真 (巻頭カラーグラビア参照)
Ⅳ 優しい笑顔
はい、はい、はーい
妻の言語
ほうじょ、そうなんよ
優しい、可愛い、大好き
仲がいいなあ
トラウマ
妻の笑顔
傾きと笑い
ヨシエばあさん
歩き大好き
妻の恋人
N先生の思い出
思い出したくないこと
東京旅行
妻のポートレートⅠ
妻のポートレートⅡ
スマホのポートレート
衣替え
妻のファッション
夫の自己変革
認知症の啓発
Ⅴ 認知症啓発コント
認知症啓発コント 「ある夫婦のランチタイム」
あとがき
著者略歴

[出版社からのコメント]
認知症の介護に関する話題は、どうしても介護する側の視点からなされることが多いですが、そこでは介護される側の人のいま現在の人生をどう考えるかという意識が欠かせないのではないかと思います。本書を通じて、多くの方が介護や認知症について改めて考える機会を持っていただければ嬉しく思います。

【著者略歴】
吉田 一紀(よしだ・かずとし)

1946年 徳島県板野郡藍住町生まれ
1968年 広島大学卒業
1968年~2007年まで公立高等学校及び徳島県教育委員会に勤務
2001年 徳島県教育委員会文化財課長
2002年 徳島県立阿南工業高等学校長
2004年 徳島県立徳島東工業高等学校長
2007年3月定年退職
2007年4月から専門学校穴吹デザインビューテイカレッジ校長
2013年3月 同校名誉校長
2015年3月 退職
1990年から義太夫節・三味線の無形文化財保持者(人間国宝)鶴澤友路師に師事し、義太夫節の修業に励む。
2005年 淡路素義審査会において東大関賞を受賞し、第二十八代横綱に推挙される。
2007年 国民文化祭徳島大会において瀬戸内寂聴原作の新作浄瑠璃「義経街道娘恋鏡」、「モラエス恋遍路」(共に作曲 鶴澤友路、鶴澤友輔)の節付け、および太夫を担当する。
2011年 「友廣芸話」(徳島県教育印刷)を出版する。
2013年より、認知症の妻の介護に専念する。
2016年 瑞宝小綬章を受賞する。
2020年 「懐かしき風景」(徳島県教育印刷)を出版する。
      徳島浄瑠璃の会会長、淡路素義審査会審査委員、藍住町社会福祉協議会中部地

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