間島の夕映え──少年と戦争と生と死の満州

(著) 日髙一

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作品詳細

[商品について]
―戦争が生み出すのは、ただ運命を狂わされた無惨な人々の姿だけだ―
1945年8月9日のソ連の開戦により、緑豊かで牧歌的な町であった旧満州国の間島は混乱のるつぼに叩きこまれた。
押し寄せる避難民と迫りくるソ連軍への不安の中、中学生の自分も白虎隊のように戦うのだと決意する著者の耳に届いたのは、日本の全面降伏という報せだった──人心が乱れ、略奪と暴行が横行し、野良犬のように追われ続ける逃避行で次々と家族を失ったあの日々を、鎮魂と平和への祈りと共に綴った回顧録。

[目次]
はじめに
開拓団から
機銃掃射
トラックよ待て
ソ連軍進駐
略 奪
流浪の民へ
決死の買い出し
床下の悪夢
木枯らしの季節
暗黒の日々へ
発疹チフス
行き倒れ
祖 母
〝おかあちゃん〟
白いバスケットの少女
慈善院へ
過失致死
アベック給仕
人売りの家
パンパン菓子屋
たばこ売りの悲哀
屈 辱
計画的犯行
墓 参
便宜妻
遊郭で
乞食哲学
間引き
母の死
夕映えの中で
おわりに
著者略歴

[担当からのコメント]
この戦争の惨禍は今この瞬間にも世界のどこかで起こっているのかもしれない、本書を読んでいるとしばしばそんな思いが頭をよぎります。
平和は思想や道徳ではなく、人としての心で考えるものなのだと感じさせられます。
ぜひご一読ください。

[著者略歴]
日髙 一(ひだか ひとし)
1931年(昭和6)神戸市生まれ。
旧満州(現中国北東部)の間島中学、岡山朝日高を経て早稲田大卒。
58年山陽新聞社入社。津山支社編集部長などを務め、89年退職。
著書に『津山城物語』『夕映え』など(いずれも山陽新聞社刊)。岡山市在住。

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