髪もない歯もない銭もないヨボヨボ作家の書いた悪夢の行方
(著) 豊田勝良
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―現実か悪夢か、それは醒めてみなければ分からない―
その手術の腕前から「神の手を持つ」といわれる御城忠正は、脳神経外科教授として注目され持て囃される一方、冷酷で傲慢な性格から陰では揶揄と嘲笑の対象となるような男だった。ある日そんな御城のもとに男女の仲である美江から一本の電話が入る。それは美江の父であり、広域暴力団の組長である赤座清志が交通事故で瀕死の重症を負ったという知らせだった。しかし御城は、組織の争いで赤座を亡き者にしようとする上条組組長・上条剛から、薬物取引の顧客名簿をネタに赤座の抹殺を依頼されていたーー不可解な事件の推移と共に愛憎にまみれた戦慄の復讐劇が現実と幻想の狭間で交錯する、驚愕の医学サスペンス。
[目次]
一、私立東海医科大学病院
二、脳神経外科教授・御城忠正
三、交通事故
四、強迫
五、脳手術と異常死
六、御城忠正の学歴
七、教授選
八、御城忠正の出自の秘密
九、女性バラバラ死体
十、法医学者・武者小路麗奈と鶴田警部
十一、全内臓逆位症
十二、叔母と武者小路光美の住所
十三、寿荘と花屋
十四、光美の手紙と内容
十五、製薬会社と講演
十六、御城忠正と光美の再会
十七、光美の殺害
十八、麗奈の秘策
十九、光美のアンドロイド人形
二十、御城忠正の発狂
二十一、精神病院への搬送
二十二、御城忠正の喚き
二十三、匿名の電報と田中仁准教授
二十四、奇想天外な結末
二十五、悪夢
二十六、鶴田警部と麗奈の結婚式
二十七、ヨボヨボ作家の作り話しの終り
参考文献
「著者紹介」
[担当からのコメント]
ときとして気づきもしなかった心の闇を露にする悪夢ほど小説の題材として魅惑的なものはないかもしれない、本書はそんなことを思わせる読後感をもった物語です。ぜひご一読ください。
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