鎌倉: 古都鎌倉で死と生の狭間を見極める人々
(著) 元松直和
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人間は、どこまでいっても、人間なのだ——
「呆けたように立っている道代に優吉は静かに声を掛ける。彼女は覚醒しない。あらぬ方をじっと見ている。虚空を見ているのか。優吉には空と防波堤と家並みと稲村ヶ崎の小高い丘しか見えない。彼女には何が見えているのか。」(本文より)穏やかな晩年を迎えるはずだったとある夫婦。彼らのもとに突然訪れた転機。それは周りの人々へと伝染し、ゆるやかに覚醒させる——四季折々の表情をみせる古都鎌倉を舞台に、熟年夫婦を通して人間の業と生死を描いた長編小説。
【著者プロフィール】
元松 直和(もとまつ なおかず)
1937年、神奈川県横浜市生まれ。
1962年、早稲田大学卒業。
同年、東京電力株式会社入社、定年まで勤務。
現在、東京都町田市在住。
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