現代自然弁証法試論──物質はなぜ「自ら運動しない」のか

(著) 竹之下芳也

Amazon

作品詳細

[商品について]
「物質は自ら運動する」――この命題は、どこまで検証されてきたのだろうか。

本書は、唯物論や弁証法において長く前提とされてきた「自己運動」という考え方を根本から問い直し、自然科学の知見に立脚した自然弁証法を再構築しようとする試論である。

本書が示すのは、運動とは物質内部に備わった性質ではなく、複数の物質が偶然に対峙し、相互に作用することによって生じる現象であるという視点である。対立や矛盾は、神秘的な内在原理としてではなく、物質間の関係そのものとして捉え直され、本質と現象、必然性と偶然性といった古典的カテゴリーも、相互作用という具体的な枠組みの中で再構成される。
そこでは、自然は自己展開する観念の舞台ではなく、現実の物質的関係が織りなす過程として姿を現す。

本書は、既存理論を単に否定するための書ではない。むしろ、哲学を学び、唯物論や弁証法に親しんできた者が抱いてきた違和感を出発点に、現代自然科学と思想とを再び結び直そうとする試みである。
読み終えたとき、「運動」「物質」「矛盾」という言葉が、これまでとは異なる重みと意味を帯びて立ち現れるだろう。
静かだが、確かな思考の更新を促す一冊。

[著者略歴]
竹之下芳也(たけのした よしや)

北九州大学名誉教授

1938年生まれ
専門 量子化学および科学哲学
著書 「ヘーゲル、エンゲルスの科学観を葬り、唯物論者の教条主義を批判する」(文芸社)、「「自然科学を哲学する」(22世紀アート社)

趣味:登山、バドミントン、園芸、合唱

新刊情報