[詩集]黙り狂うことしかできなかったお前へ――弟、そのほろ苦く美しい背理

(著) 新城兵一

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作品詳細

[商品について]
―「おまえ」は静かに、しかし確かに生きていた―
無表情で無口な「おまえ」はいくつの言葉を飲み込み、どれほどの苦しみに耐えてきたのか——。
14歳の時に統合失調症を発病し、60歳で急逝した弟。その突然の出来事に対して、いずれ誰の記憶からも消えてしまうその「確実な不在」を、いま詩によって顕現させる。どこまでも優しく温かい言葉と深い哀しみが読むものの胸を打つ魂の詩集。

[目次]

遠い疵
椅子
来間島
ハミング
名を刻む

夏至南風

肖像

悲哀――胸のそこには
二人三脚
かまちゃん*語録――「ジャウブン」・「スサン」・「ン」
歌謡コンサート
浦底海岸
マーンテイ
運動公園
漲水港
最後の写真
覚書

[担当からのコメント]
失われた存在への深い思いを言葉にするときそれは一つの詩となって現れる、本書はそんな詩集といえるかも知れません。海は「海」という言葉を超えて私たちに迫ってくるように、本書の言葉も押し寄せる波のように迫って読むものを離しません。そこにある深い哀しみ、そして読後に訪れるさざなみのごとき言葉の余韻を、ぜひ多くの方に味わっていただければ嬉しく思います。

[著者略歴]
新城 兵一(しんじょう・たけかず)

1943年 沖縄県宮古島市城辺字新城に生まれる。
現 在 「宮古島文学」・「イリプス」同人

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