共生社会をもとめて : 福祉を歩いて60年 続

(著) 忍博次

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作品詳細

[商品について]
―全国都道府県の中で、グループホームの数が最も多いのは、次のどこでしょうか。
1.鹿児島、2.北海道、3.東京
知的障害者の入所施設も最も多いとのこと。正解は、本書第2部「知的障害者の地域移行・自立支援の問題 ― 先進的施設の事例調査を通じて 1 問題と仮説」をご覧ください。

われわれの文化は残念ながら障がいを持つ人の社会参加に対して否定的で、平均的社会が醸成する当然の生活空間では、障がいのある人を排除する仕組みになっている。障がいを持つ人の社会参加を促すためには、物理的・制度的バリアだけでなく、情報や心のバリアも取り払わなければならない――。本書は、50年以上にわたり社会福祉の研究に携わり、社会福祉の新しい道としてのノーマライゼーションの重要性を訴えてきた著者が、前著『共生社会をもとめて―福祉を歩いて50年』に続き、これまで雑誌等に掲載された2010年以降の論考と、ライフワークであるノーマライゼーションに関する最近の論文と社会福祉の研究や実践の自分史として執筆した論考を選びまとめた作品である。

[目次]
はじめに
第1部 二一世紀、社会福祉の課題
「時流」(『北海道の国保』2010年3月号~2019年10月号)
「ノーマライゼーション対談」(『WITH(ウィズ) LIFE(ライフ)』32号 2010/8) 豊かな老後生活は、健康と友情から。近隣と支え合って暮らそう!
「ノーマライゼーション対談」(『WITH(ウィズ) LIFE(ライフ)』37号 2013/4) 「在宅ケアする人をケア」する態勢を整え 頑張っている人に息抜き、語らい、励ましを!
「ノーマライゼーション対談」(『WITH(ウィズ) LIFE(ライフ)』39号 2014/4) 「傾聴」を大切にみんなで支え合う豊かな人間関係の回復を
「ノーマライゼーション対談」(『WITH(ウィズ) LIFE(ライフ)』41号 2015/4) 楽しく食べ、まめに動き、よく笑い仲間と支え合って健やかに暮らそう
「どうなる、どうする、これからの福祉」(『WITH(ウィズ) LIFE(ライフ)』32号 2010/8) 〝望ましい福祉〟のための思考枠組
「どうなる、どうする、これからの福祉」(『WITH(ウィズ) LIFE(ライフ)』37号 2013/4) 在宅で介護する人への支援を
第2部 ノーマライゼーションの実現を目指して
知的障害者の地域移行・自立支援の問題 ── 先進的施設の事例調査を通じて
共生社会への壁 ──障がい者に対する偏見・差別の構造
私の実践・研究を振り返って 偏見の研究から共生社会の実現へ ──ノーマライゼーション、自立の支援、地域福祉
あとがき


[出版社からのコメント]
画一的で予測可能な社会が安心を生み出すという幻想はもはや通用しない時代となったいま、私たちは改めて無自覚に異質なものとして排除してきたものについて目を向ける時期に来ているのではないかと思います。本書の論考を、福祉だけに限らずそうした気づきを得るための一助として、多くの方にご活用いただければ嬉しく思います。

【著者紹介】
忍 博次(おし・ひろつぐ)

 1930年 (昭和5年)3月23日 富良野市にて生まれる
 1954年 北海道大学教育学部卒業
       北海道中央身体障害者更生相談所
 1959年 国立身体障害者更生指導所
 1962年 北星学園大学文学部専任講師
 1996年 同大学社会福祉学部長
 2000年 同大学定年退職・名誉教授
       吉備国際大学社会福祉学部教授
 2004年 九州保健福祉大大学院(通信制)教授
 2007年 名寄市立大学教授
 2010年 同退職

 著 書   『偏見の断層──福祉を考える友へ』筒井書房1987年
       『自立・人間復権の福祉を求めて』筒井書房1997年
       『社会福祉を考える──変わりゆく福祉の思想を求めて』響文社2002年
       『共生社会をもとめて──福祉を歩いて50年』はまなす文庫2010年

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