「願い」をかなえる教育で子どもは変わるーー「学級崩壊」を克服し学びと成長を促す授業づくりと考え方

(著) 大川克人

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作品詳細

[商品について]
―「学級崩壊」と片づける前に、子供たちの本当の声に耳を傾けよう―
「荒れ」や「学級崩壊」など危機的な状況にあると言われる学校教育。しかしその危機的状況を子どもの環境が変わったからと見るか、その根底にある原因を探り展望を見出そうとするかで教育の未来は大きく変わってきます。本書では、自身も小学5年の担任として学級崩壊一歩手前からクラスを蘇らせた経験を持つ著者が、「荒れ」や「学級崩壊」をなくすためにはどうすれば良いのかを、「理解する」ための授業づくりや子どもの言動の裏にある「こころ」、自分でも気づいていない本当の「願い」など、現場からのリアルな視点で考えていきます。教職にある方はもちろん、子育て世代や地域教育に関心のある方にもぜひお届けしたい一冊です。

[目次]
はじめに
第一章 「荒れ」「学級崩壊」を克服する授業づくり
1 子どもたちの願いにこたえる授業づくり
2 ほっとする子どもの作品での授業 ―生活綴方の授業とその役割
3 「今日の授業、最低!」 ―人間のやさしさを学ぶ文学の授業
「ベロ出しチョンマ」(斎藤隆介作)教材について
本時(四の場面)の学習
子どもたちの感想
授業を振り返って―私の反省
4 自信をもっておすすめする歴史の授業 ―社会認識を育てるために
歴史学習の自主編成を
授業にゆとりが
江戸時代の学習―近世社会、江戸時代のとらえ方
学習指導計画
授業の記録より
一学期の学習を振り返って
第二章 揺れ動く子どもたちを「受けとめる」
1 子どもたちだってゆっくりしたい ―子どもたちの生活に「ゆとり」を
今、子どもたちの生活から「ゆとり」が奪われている!
「ゆっくりしたい」「楽しくすごしたい」と思っている
子どもたちの生活に「ゆとり」を
現状を「一人ひとりの願い」「思い」からとらえる
2 「受けとめる」で「荒れ」「学級崩壊」の克服を
ぼくのことわかってよ
3 六年一組の子どもたち
私たち、ぼくたちの願いをわかってよ
リーダーを中心にした自主的な集団の役割
仲間とともに学び合う学級集団
すばらしく成長した君たちへ  卒業おめでとう
第三章 多忙な学校、あきらめない挑戦
「いそがしい、いそがしい」があいさつがわり ── 教師に「ゆとり」を
1 教師の願いは「ゆとり」と「やりがい」 ―子どもと教師のねがいに基づく自主編成
2 「ゆとり」をつくりだす ―年間三〇週の計画をつくる国語科
3 子どもたちとじっくりかかわりたい ―生活綴方の実践
4 教職員集団づくりと教師の多忙化
民主化のカギは「子どもをどうとらえるのか」の話し合い
第四章 教師として
子どもを好きであり続けたい
子どもを一人の人間として
子どもたちの可能性と子どもを信じて
教師のありのままの姿を
第五章 みんなの思い・ねがいが大切にされる学級を
一、はじめに  問題意識として
二、日記・作文を中心に、一人一人の思いやねがいを大切にした学級づくり
三、作文の授業と子どもたち
(1) ガンバレ! 佑起くん
(2) 苦手な作文、宏幸くん
(3) しんどい日を克服した、あきほちゃん
(4) 久弥くんの作文をみんなで読み合いました。
四、自主的・自覚的な学級活動を中心にした学級づくり
五、基礎的な学力を大切にした授業づくり
六、父母とともに学級づくりを
七、まとめとして
第六章 一枚文集で育つ子どもたち
はじめに―問題意識として―
一、一枚文集で育つ子どもたち―みんなが安心できる学級づくりを―
二、学級がスタート―はじめまして、ともだちの輪をいっぱい広げましょう―
三、担任発表から一ヵ月がすぎて
四、『ガミガミッ子(笑)』が、ぽろっと、どっかへ家出した
五、夏休みの親子行事
六、「基礎・基本を大切にした授業」がなくては、学級づくりにはならない
七、文化祭…忙しいなあ
八、「くいのない音楽会にしよう」―最高の音楽会―
九、作文の授業がきっかけで…
十、大きく成長した、リーダー集団
十一、ともだちの輪を広く、深く―卒業へ向けて―
第七章 社会科の授業
どの子も伸びる研究会四〇周年記念誌
社会科の授業
はじめに
一 地域教材にこだわって
1 地域に教材を求める原点
2 「七・一八水害」の教材化と授業
3・地域学習をすすめる意義
二 考えてみよう 日本の歴史 ― 歴史学習五〇時間プランと実践事例(授業記録) ―
1 小学校歴史学習
2 近代の学習「天皇が中心の世の中」(土地から税を) ― うちのおじいちゃんが「地券」を持っている ― (授業記録)
三 御坊市の漁業と巻き網漁
1 はじめに  問題意識として
2 地域教材の具体化について
3 御坊市の漁業と巻き網漁
4 まとめ
四 「自前の学校づくり」と社会科の授業
1 はじめに子どもありき
2 地域を知ろう、地域から学ぼう
第八章 子どもたちとともに
印象に残っている子どもたちの言葉
「アホか、何考えてんのやと言わんといて」
「ほんものの教師に見えてきた」
「悩み解決 スーパーおじいちゃん」
「『自由』ってよく考えろということや」
「大川克人取扱説明書がほしいわ」
「先生は最強の教師です」
著者略歴

[担当からのコメント]
時代や社会が変わる中でも子供たちの本質を信じ教育をあきらめない、そんな実践の成果のひとつが本書であると思います。「人」を教育するということはどういうことなのか、改めて考えさせられる一書となっています。ぜひご一読ください。

[著者略歴]
大川 克人(おおかわ かつひと)

1952年 和歌山県御坊市に生まれる。
1976年 和歌山大学教育学部卒業
      和歌山県日高郡由良町立衣奈小学校、御坊市立御坊小学校、御坊市立湯川小学校、御坊市立塩屋小学校に勤務。
2013年 和歌山大学教育学部大学院入学
2015年 和歌山大学教育学部非常勤講師
共 著   『歴史学習の考え方・すすめ方―部落問題学習にかわるもの』(谷口幸男編 部落問題研究所)
      『地域から問う社会科』(和歌山県歴史教育者協議会編 文理閣)

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