技術者・学生のための直接接合入門ーー実践データで学ぶその基礎と応用

(著) 赤池正剛

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作品詳細

[商品について]
―研究、そしてモノ作りの醍醐味を学ぶ―
物作りの中で材料を接着する作業は、有史以来様々な形で行われてきた。現代の物作りでは半導体のように微細化が進み、直接固体同士を精密に接合する直接接合の技術が不可欠となっている。しかし直接接合には、量子力学や統計力学などの法則だけでは説明できない様々な原因が多く含まれている。本書は、直接接合についての理解を深めたい学部生や技術者の方々に向けて、実験条件を明示した多くの実験例を取り上げ、必要に応じて量子力学や統計力学、結晶学、材料力学なども用いながら生じた事象を分かりやすく解説した実践的テキストです。

[目次]
まえがき
1章 接合における超高真空中の残留ガス
1-(1)超高真空の作製
1-(2)超高真空中の残留ガス
2章 接合表面(金属表面)への吸着
2-(1)表面吸着の結晶面方位依存性
2-(2)表面吸着に及ぼす残留ガス種の影響
3章 金属単結晶の概説
3-(1)金属単結晶面方位の表示
3-(2)単結晶の面方位解析について
4章 常温直接接合における金属の塑性変形
4-(1)面心立方晶金属の塑性変形について
4-(2)金属結晶の塑性変形時の結晶回転
5章 超高真空中での固体間の常温直接接合
5-(1)実験装置及び接合プロセス
5-(2)表面の微視的な表面形態-接合面のモデル化
5-(3)表面吸着と接合性
6章 界面転位について
6-(1)界面転位について
6-(2)超高真空中常温接合による接合界面の界面転位について
6-(3)Coincidence Modelによる界面転位について
6-(4)超高真空中における異種材料常温接合について
7章 超高真空中常温接合における面心立方晶金属Cuの接合性
7-(1)低指数面方位の接合性の違いについて
8章 常温直接接合の応用例
8-(1)半導体の露光用電子線偏向器について
9章 Pt触媒ギ酸接合法
9-(1)原理-Pt触媒ギ酸分解で生ずる還元ガス
9-(2)Pt触媒ギ酸処理したCu表面の形態
9-(3)Pt触媒ギ酸処理後のCuの直接接合
9-(4)微粒子を用いた接合について
9-(5)Cu極微粒子から大きな粒子への成長機構について
9-(6)Pt触媒ギ酸を用いた水素ラジカルによるCu酸化膜除去
9-(7)固層直接接合のメカニズムについて
10章 陽極接合について
10-(1)陽極接合の原理
10-(2)接合強度について
10―(3)陽極接合を用いた応用例
付 録
著者略歴(接合研究従事関連)

[担当からのコメント]
本書は直接接合をテーマにした書ですが、実験して生じた現象を記録し考察をするという科学実験の現場の空気が詰まった作品でもあります。物理学などの知識は必要となりますが、実験室の一員として観察するような臨場感も楽しめる本書、ぜひご一読ください。

[著者略歴](接合研究従事関連)
赤池正剛(あかいけ まさたけ)
1945年 山梨県出身(県立市川高校、(現)県立青洲高校))
1980年 東京大学工学系研究科精密機械工学専攻博士課程修了
    (工学博士学位授与)
1981年 東京大学工学部助手勤務
1982年 国家公務員(同大学)を休職し、西独のマックスプランク  
    研究所
    (Stuttgart在)の招待研究に従事
    研究内容;
    「超高真空中常温接合単結晶試料の透過電子顕微鏡による界面転位観察及びCoincidence Modelを用いた界面転位に関するComputer Simulation.」
    帰国後、本研究を下記論文で発表
    M.AKAIKE, H.HUNAKUBO, G.PETZOW, M.RUHLE
    「Microstructural Stdies of Interfaces Bonded in Ultra-  
    high Vacuum at Room Temperature」、Precision Machinery Medical Engneering and Mechoptoeletronics. Vol.1, No.3(1985)
1983年 キヤノン(株)入社 中央研究所勤務
    圧電体を用いたインクジェットの接合部の基礎的研究
    マスクレス半導体露光用電子線偏向器の接合部の基礎的研究
2005年 東京大学先端科学技術研究センターでリサーチ・フェローとして勤務
(Pt触媒ギ酸装置の開発及びこの接合装置を用いた基礎的研究)
2019年 IMSI(電子実装工学研究所)研究所(勤務地;明星大学)
     Pt触媒ギ酸接合応用研究に従事

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