現代医学は人間をどうみているか : 新たな医学概論の試み

(著) 山本哲郎

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作品詳細

[商品について]
―医療とは、果たして病を治すだけのものなのだろうか―
現代医療を構成する生物学的医学は、研究対象である「ヒト」の解明に膨大なエネルギーを費やし、その発展とともに細分化され深化してきた。一方で医療という行為は歴史的・社会的に「癒し」という側面を持ち、それは宗教をはじめ様々な形で「人間」を支えてきた。しかしそうした生物学的な医学と人類学的な医療を考えるには、現代医学は知の体系としても社会的な影響力の点でもあまりに巨大になっているーー生物学医学から見た「ヒト」から臨床、制度、経済、倫理の問題まで、生物学的・人類学的な視点から現代医療全般を俯瞰した21世紀の医学概論。

[目次]

第一章 個人の多様性と類似性
第二章 有機的システムの階層構造としてのヒト
第三章 生体の免疫学的防御機能
第四章 個体の寿命と死
第五章 疾患の分類
第六章 臨床診断と場の論理
第七章 治療法概要
第八章 精神医学
第九章 医学研究
第十章 制度としての医療
第十一章 医学・医療における生命倫理学的諸問題と背景
第十二章 生命科学から見た経済と環境
第十三章 代替医療と漢方医学
第十四章 「病名」の由来
第十五章 「生物学的医学」の歴史的出自
参考文献
あとがき
著者紹介
装丁者紹介

[担当からのコメント]
治る見込みのない難病や手の施しようのない病を前にしたとき、医療はどうあるべきなのかということがいま様々な場面で問題になっていますが、そこでは「人間らしい」というキーワードがよく聞かれます。それは医療の場において、患者が「ヒト」から「人間」へと回帰しようとする一つの表れなのかもしれません。医学だけでなく人間について、社会についても考えさせられる本書、ぜひご一読ください。

[著者紹介]
山本哲郎(やまもと てつろう)

1949年熊本市生まれ。熊本大学医学部卒業、熊本大学大学院医学研究科修了・医学博士。印刷版発刊当時、熊本大学教授(大学院医学薬学研究部分子病理学分野)、元熊本大学医学部長。専門、分子病理学・実験病理学。


装丁者紹介
山本太郎(やまもと たろう)
1974年熊本市生まれ。京都造形芸術大学卒業、「ニッポン画」家。第14回現代美術の展望VOCA展大賞(2007年)。著書に「ニッポン画物見遊山」(青幻舎、2009年)。
http://www.h7.dion.ne.jp/~nipponga/

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