法医は死者の代理人――一期一会の対話と法医学者という仕事

(著) 石津日出雄

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作品詳細

[商品について]
――日本酒一合を飲んだとき、体からアルコールが消失する時間はどれ位でしょうか。
1.1時間、2.3時間、3.9時間
正解は本書「第七章 教師として」をご覧ください。
法医学は、法律上問題となる医学事項を医学の知識や技術を駆使して検査し、研究し、それによって問題点を解明して、法的な解決に寄与することを目的とする医学の一分野である――死者の声に耳を傾け、ときに人の人生をも左右する法医学の価値と魅力を、法医学上の新性別判定法の開発など独創的な研究で法医学の第一線を走り続けてきた著者が綴った、「事実は小説よりも奇なり」法医学人生ファイル。

[目次]
はじめに
第一章 法医学への道
法医学三上芳雄教授の門を叩く
大学院時代
第二章 法医学とは何か
法医学は全科にわたる診断学である
法医の眼(まなこ)で見た診断(鑑定)例
法医学の教育・研究・実務は三位一体である
第三章 法医学は研究する
人血痕からの性別判定法の開発と米国での応用
第四章 親子鑑定
第五章 死体の法医学
法医解剖は死者との一期一会の真剣な対話である
頭蓋骨と首なし白骨死体の個人識別
民家火災後に発見された一家六人の焼死体の司法解剖
第六章 師を偲ぶ
神田先生と私
三上芳雄名誉教授を偲ぶ
第七章 教師として
これからの学生生活について
出席を取るなんて
第八章 教室主任として
開講五周年を迎えて
法医学の社会的役割
[転任にあたって] 十年間を振り返って
新任教授としての所感
これからのこと
平成八年の目標
第九章 なつかしの沖縄そして土佐の高知
沖縄県警察法医学顧問制度(一九五六~一九八二)
沖縄の想い出
高知県と法医学
土佐日記
第十章 一世一代の晴れ舞台――故郷へ〝綿〟を飾る
1 母校愛媛県立三島高校 平成十一年度開校記念講演「法医学への招待」
2 とんでもないことに
著者略歴

[出版社からのコメント]
ミステリ―が好きな方は小説やドラマ、映画などでお馴染みの法医学ですが、死者の体からメッセージを受け取って事実を明らかにしていくそのプロセスは、刑事が聞き込みや推理で犯人を追い詰めていくのとは異なる静かな魅力があります。ぜひ本書を通じて、そんな法医学の職責と奥深い世界を味わっていただければ嬉しく思います。

[著者略歴]
石津 日出雄(いしづ・ひでお)

昭和15年  愛媛県に生まれる
昭和40年  岡山大学医学部卒業
昭和45年  岡山大学大学院医学研究科(法医学)修了、医学博士
      岡山大学医学部講師(法医学講座)
昭和46年  同助教授(法医学講座)
昭和49年  文部省在外研究員
  ~50年 (南カリフォルニア大学/ロスアンゼルス郡検視局)
昭和54年  岡山大学法文学部第二部法学科卒業
      沖縄県警察法医学顧問(半年間)
昭和55年  高知医科大学教授(法医学講座)
平成2年  岡山大学医学部教授(法医学講座)
平成13年  岡山大学大学院教授(法医生命倫理学講座法医学分野)
平成18年  岡山大学名誉教授・同特命教授
      川崎医療福祉大学医療福祉学部教授
      川崎医科大学非常勤講師
      岡山大学法科大学院非常勤講師

[主な研究領域]
  法医診断学、個人識別、親子鑑定、医事法、生命倫理

[学会活動]
  日本法医学会評議員、理事、監事、総会長、中四国地方会会長(3回)歴任、現在名誉会員
  日本犯罪学会評議員
  日本DNA多型学会評議員、学術集会長歴任、現在会員
  日本アルコール・薬物医学会、日本生命倫理学会、日本臨床死生学会、
   岡山医学会、川崎医療福祉学会会員

[主な著書]
  『標準法医学・医事法第6版』(編著)医学書院、2006.
  『実務医事法講義』(加藤良夫編著・分担執筆)民事法研究会、2005.

[受賞歴]
  結城賞(岡山大学医学部)、三越若手医学賞、岡山県文化賞(学術)、日本犯罪学会賞受賞
  岡山、沖縄、高知各県警察本部長(岡山2回)、岡山県公安委員長、四国管区警察局長、中国管区警察局長、第六管区               海上保安部長、海上保安庁長官、法務大臣から感謝状、警察庁長官から警察協力章を贈られる。

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